映像∞文化のまち ねりま

ねりま映像人インタビュー

第18回 平野文さん 前編

第18回 平野文さん 前編

2023.02.24

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※現在の社会状況を考慮しビデオ会議システムを使用して収録いたしました。通信環境の状況により、音声が一部お聞き苦しい箇所がございます。ご了承ください
練馬にゆかりの映像人の皆様にお話を伺い、練馬と映像文化の関わりを紹介する「ねりま映像人インタビュー」。
今回と次回のゲストは声優の平野文さんです。
平野さんは、練馬区を拠点に活動されている漫画家・高橋留美子先生の代表作の一つ、『うる星やつら』のラム役で声優デビュー、一世を風靡されました。
平野さんは子役からキャリアをスタート。ラジオDJを経て、声優へ。『アニメ三銃士』ミレディ役、『名探偵コナン』若狭留美役などを演じていらっしゃいます。またご自身の経験を題材としたコラムなどを多数執筆。結婚に至る経緯を描いた「お見合い相手は魚河岸のプリンス」はTVドラマ化もされました。
今回は再アニメ化も注目を集める『うる星やつら』のお話を中心にお伺いします。

—— 『うる星やつら』【1】で演じたラム【2】は、宇宙人ですが高校生でした。平野さんはどのような高校生生活をおくられたのでしょうか?

平野:小学校の頃から子ども向けのドラマなどに出ていましたので、学校が終わってから仕事場に行くのがいわゆる稽古事をするような感じでした。それがごく自然に自分の日課になっていましたので、高校に入ってラジオDJのお仕事をしている時もそれが普通でしたね。
ただ非常にありがたかったのは、高校の友達たちが特別視をしないで普通に付き合ってくれたんです。
仕事は仕事で、学校にいるときは普通のクラスメイトっていう。そんな同級生たちだったので、学校には勉強しに行くってよりも友達に会いにっていうような、いい高校でしたね。
都立校で男女共学、当時は練馬区、杉並区、中野区という三つの区の中学校から受けられるというシステムでした。
だから、家も近くて仲間と家同士で行き来することもありました。
『うる星やつら』に出てくるようなハチャメチャではありませんが、勉強はするけど遊びもかなり本気でやっていたような高校生活だったと思います。
高校3年生のときだったんですけど、男子サッカー部が「文化祭で一番最後に思い出を作りたい。『国定忠治』【3】をやりたい」と言い出したんです。私は当時児童劇団にいましたので台本とか頼まれたんですよ。
それで、児童劇団の先生を放課後に呼んで、文化祭用の稽古をして、NHKから衣装まで借りて、本格的にやりました(笑)。そうしたらちょっと目に触れたらしくて、今でいう夕方のテレビのワイド番組とかNHKの若者たちの番組とかで、彼らがその芝居を披露したって紹介されたこともありました。そういう意味では遊びの究極を高校で体験したってことですね。
『うる星やつら』と比べると遊びの質はちょっと違うかもしれませんが、かなり楽しいことをしていた記憶があって、今でも思い出すと大学の友達よりも高校の友人たちの方がいわゆる密でした。今でも付き合いがありますので。

『うる星やつら』のような高校生活が舞台っていうのは、それまでになかった作品でしたね。
それまでは『ドラえもん』【4】とか『アラレちゃん』【5】とか、子どもを対象にしたようなアニメーションだったのが、初めて高校生活が舞台で、SF的で、何でもありの、本当に新しいアニメだったのかなと感じますね。

—— 声優としてラム役が最初のお仕事と伺いました。そのきっかけは?

平野:ラジオのDJをやっていると、どうしても深夜放送をやりたくなるんです。ですので大学を卒業したときに深夜放送のオーディションを受けて、深夜の生放送をずっとやっていました。
それである時「文さん、アニメの声をやったらどうですか?」という葉書をいただいたんです。
深夜放送って受験生向けだから、「〇〇君、頑張って!」を、「看護婦さん風に言ってください」とか「新妻風に言ってください」とか、声のリクエストが来るんですよ(笑)。それに応えてたらそんなコーナーができちゃったんです。それを聴いていた方が、ひょっとしたらプロデューサー的な感覚で勧めてくださったのかな。
それで何かできるかもしれないなと思って、初めて受けたオーディションが『うる星やつら』の「ラムちゃん」だったんです。

—— 初めてのオーディションで主役に抜擢されるのは、なかなか難しいのでは?

平野:本人もそれは思っていました(笑)。とにかくアニメのオーディションを受けてみたいので何かあったらお願いしますとマネージャーに頼んでいたら、来た話でした。
とにかく受けることができるっていう楽しさの方が先行していて、そこで受かろうとか、その役をもらいたいとか、そういう気持ちはあまりなかったですね。
オーディションは、漫画の原作を渡されて「吹き出しを読んでください」というものだったんです。まだ絵も何もできていなかったので。A4で2枚ぐらいだったかなと思うんですけど、それを読みました。

—— ラムちゃん役に決まったときの心境はどんな感じだったんでしょうか?

平野:「ああ、受かったんだ」っていう、飛び上がって喜ぶようなことはなかったですね。
今までもいろんな仕事をしてきましたから、「そういう仕事の一つなんだ」というような、いつも通りの気持ちだったのではないかなと思います。
それで関係者の皆様に会いに行ったら「このアニメは当たるからね」とフジテレビの人がおっしゃって、それに対しても「そうなんだ」という感じでした。きっと怖いもの知らずだったんじゃないでしょうかね。

—— 初めて声優のお仕事をされる中で、大変だったことはありますか?

平野:それまでにラジオドラマや人形劇の声などもやっていたのですが、とても救われたのはチェリー/錯乱坊(さくらんぼう)役の永井一郎さん【6】とずっと仕事をご一緒していたことです。
私がスタジオに入ったら、永井さんが「おお、文。今度はお前さんかぁ!」とおっしゃってくださって。「声優としては新人だけど、このコをよろしく頼むね」と、永井さんから皆様に紹介していただいたところがありましたので、ずいぶん助けられたと思います。
他の出演者の方は、仕事に対して非常に真摯な方が多かったので、いい意味で緊張感のあるスタジオの雰囲気でしたね。
初めてゲストでいらっしゃる方々には、初めに私の方からご挨拶にいきました。
野沢雅子さん【7】が金太郎の役でいらしたときも、ご挨拶に行って「よろしくお願い致します」と言ったら、野沢さんが「うん、わかった!」と。私も昔から知ってますから、「この声だ!」と(笑)。
そういうようなやり取りなども覚えています。

—— 高校が舞台のお話ですけが、ご自身の高校時代の経験が活きたようなところはありますか?

平野メガネさん【8】たち男同士のやり取りは、中学とか高校のときに必ずあるようなシーンでしたし、あとは買い食いですね、「私もやったやったやった!」というような。だから、自分の中の体験したことの中での1ページ、1ページっていうのが時折ポンと出てきて、「これだからわかるわ~」というようなシーンはずいぶんありましたね。
当時のファンの方は、中学生、高校生、大学生、いわゆる制服を着ている前後の世代の方がほとんどでした。
だからみんな、やっぱりこういうのに共感するんだろうなと感じていました。

—— その中のヒロイン・ラムを演じるにあたって、ラムを演じるからこそ大事にしたところはありますか?

平野:私たぶんマイペースなんですよ。『うる星やつら』をやることになっても、この役だからこうしなきゃいけないとか、良い意味でも悪い意味でも重圧感というのがなくて。
そして、野沢雅子さんもおっしゃっていましたけど、絵を見たら「この絵のコはこんな声なんだろうな」というのが、フっと出てくるんですよ。ラムちゃんが動いてれば、自然に自分の感情がついてくるんです。
また、共演者がベテランの方たちばかりだったのも大きいと思います。
私が絵に向き合って縦方向で演技をしていると、横に立っていらっしゃる方たちが、ちゃんと横からもボールを投げてくださるんです。
隣にいつも古川登志夫さん【9】がいらして、こっちの隣には神谷明さん【10】千葉繁さん【11】がいらして、ベテランの方たちがものすごく良い演技を横でなさるんです。
横からの良いボールがどんどん来るものだから、それを受け止めなきゃ、受け取らなきゃって、どんどん自分を上げていただいていたっていうのがありました。
上手な方たちと一緒に演じていると、下手でも腕が上がってくるんですよね。今思うと、それで非常に助けていただいたところがあります。 それと、一番尽力いただいたのは、音響監督【12】さんです。
アニメーションには、音楽なりSEなり私たち声に関しての一切を受け持ってくださる音響監督さんがいらっしゃいます。『うる星やつら』は斯波重治さん【13】がご担当くださってました。
古川登志夫さんも新人の頃から見いだして育てて、千葉繁さんもそうですね。ポテンシャルがある方をグっと引き上げて、トップに持っていくことが自然にできる音響監督さんです。その当時はわかっておりませんでしたが。
そういう音響監督さんもいらしたおかげで、何のストレスもなくのびのびとやらせていただいていたんだろうなあと、感謝しかありません。

—— 放送が始まると、すごく反響があったのではないでしょうか

平野:まず、『うる星やつら』のファンレターは事務所に郵袋(ゆうたい)で届いていました。郵便の大きな袋でドンっと来るんですよ。私はラジオの経験があるから全部拝読させていただいて、返事を書けるものは書こうというつもりでおりました。
またスタジオの収録では、どこでどうやって調べるのか、終わったらうわーって皆さんお待ちなんですよ。でも我々に声をかけるでもなく、サインをねだるでもなく、花道が出来ていて「お疲れ様でした」みたいに帰していただくというような。
やっぱりその高校生ぐらいの男子たちが一番多くて。ウチにも紙袋一つ持って「結婚してください」っていらしたこともありました(笑)。

—— 『うる星やつら』は4年半にわたって放送がありましたが、長く続く作品の主役を演じ続けたことを今はどのように感じてますか?

平野:半年に1枚アルバムを出すとか、年に一度コンサートをするとか、そのようなのことをやるは今でこそ当たり前ですけれども、おそらく『うる星やつら』が、はしりだったと思うんです。
コンサートでは、武道館がいっぱいになるんですよ。でもそれは平野文じゃなくて、「ラムちゃん」に会いに来てる人たちなんだと。この人たちに対してはちゃんとしなきゃっていう思いがありましたね。プライベートでも変なことをしてはいけないとか、ラムちゃんを傷つけるような信用を失うことはしてはいけないという自覚はありました。
レコード会社の担当の方と地方のキャンペーンに行った時に、ご自身のウエストポーチを指して、「これはね、中に300万円入ってるの。もし何かの関係で東京に帰れなかったとき、これでヘリを頼んで文を東京に帰すためのお金なんだ」とおっしゃるんです。 それだけ大事にされているラムちゃんは凄いんだなと。気をつけなきゃ、ちゃんとしなきゃと、強く思いました。

—— ラムちゃんの役を4年半で終わることになったときのお気持ちは、どんな感じだったんでしょうか?

平野:終わったらつまらないな、と思いました。
仲が良かった杉山佳寿子さん【14】とか古川さんたちと会えなくなる。4年半、毎週土曜日の朝10時から同じスタジオに行って、斯波さんたちと一緒に収録していましたので、それがなくなるってことに対して、つまらないなというのが一番強かったですね。高校を卒業するときと同じです。
「またいつかできたらいいな」と思いつつも、つまらないなという思いでした。

—— 放送終了の2年後に劇場版5作目が、その後も6作目の映画やOVAが2010年まで断続的に作られましたが、それはどのようにお感じになりましたか?

平野:もうなんか同窓会の雰囲気ですよね。「また会えたっちゃ」という感じの(笑)。
やっぱり嬉しいのは、皆さんのお声が変わらないことです。絵が出てきた途端にその声で皆さん演じられているというのは、何かスイッチがパーンと切り替わるんですよ。やっぱり声ってすごいんだなと思いました。
本当にすごい方たちと4年半もご一緒できていたんだということを、改めて痛感しました。

—— 結果的にラム役を40年近く演じてこられましたが、改めてラムという役は平野さんにとってどんな存在でしょうか?

平野:「決して裏切ってはいけないもの」です。
今でも当時のことを言ってくださる方とか、「ラムちゃん見てました」という方にお仕事をいただいたりする年代になりました。そうすると、やっぱり自分の中でちゃんとしててよかったなって。
高橋留美子先生【15】に対してもそうですし、ラムちゃんに対しても、それからその関わってくださった方たち全員に対しても、絶対的に裏切ってはいけない、そういう存在ではないかなと思っています。

明日の勇気につながる1作平野文さんのおススメ!

『プリティ・ウーマン』
(1990年/アメリカ/監督:ゲイリー・マーシャル/出演:リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ ほか)
ウォール街きっての実業家・ルイス。商談に訪れたロサンゼルスで、気まぐれに一週間のアシスタント契約を結んだのは、コールガールのビビアンだった!

平野:私なりに「こういうことがあるなら頑張れるかもしれない」と感じたのが『プリティ・ウーマン』。ジュリア・ロバーツとリチャード・ギアの、いわゆる現代版シンデレラストーリーです。
この2人のやり取りも好きなんですけれど、ルイスがビビアンと泊まるビバリーヒルズの超高級ホテルの支配人・バーニーがとても良いんです。
ヘクター・エリゾンドさんが演じるバーニーが、コールガールからすごく綺麗になろうとするビビアンを、要所要所で何気なく手助けするんですよ。テーブルマナーを教えてあげたり、お洋服を買いに行くとき、裏でブティックに電話をいれておいたり。
人生の中で、ひょっとしたら私達にもそうやって助けてくれる人がいるんだろうなって。
そこがこの映画で一番好きなところなんです。
エレガントな中でも人間的にふっと手助けをするっていうことを、とても洒落たセンスで演じていらっしゃいます。
ストーリーの主役だけではなく、支配人・バーニーの姿もぜひ見ていただきたいなと思います。
音声版では、更にいろいろな話が出てきます。
是非お聴きください。

プロフィール

平野文(ひらの ふみ)
声優。子役からキャリアをスタートし、ラジオDJを経て、『うる星やつら』のラム役で声優デビュー。40年近くラムを演じた。再アニメ化された『うる星やつら』では、ラム母を演じている。
その他の代表作にTVアニメ『アニメ三銃士』ミレディ、『名探偵コナン』若狭留美、『ブルー・ピリオド』佐伯昌子など。また、自身の経験を題材としたコラムなどを多数執筆。結婚に至る経緯を描いた「お見合い相手は魚河岸のプリンス」はTVドラマ化されている。
TVアニメ『うる星やつら』公式サイト

登場する作品名・人物名等の解説

【1】『うる星やつら』※特に注記の無い場合は、1981年版を指す
漫画家・高橋留美子の同名人気漫画を原作にしたTVアニメ。1981年~86年までの4年半にわたり全195回(全218話※放送開始時は15分2話、3クール目より30分1話)が放送された。劇場版6作品やOVAなども制作されている。
世にもまれな凶相の持ち主・諸星あたるは、地球侵略を仕掛けてきた宇宙人の鬼族との地球の命運を賭けた〈鬼ごっこ〉の地球代表に選ばれる。鬼族代表の美少女・ラムとの激闘の末、勝利をおさめるものの、ちょっとした行き違いからラムに愛されるようになり・・・。友引町、地球、宇宙や異次元を巻き込むドタバタラブコメディ。
主人公・諸星あたるを古川登志夫、ラムを平野文が演じた。
2022年には小学館の創業100周年を記念して、完全新作として再アニメ化。現在、第1期2クール目を放送中。
《1981年版》
原作:高橋留美子、チーフディレクター:押井守(第1~106回)・やまざきかずお(第107回以降)、キャラクターデザイン:高田明美
《2022年版》
原作:高橋留美子、監督:髙橋秀弥・木村泰大、キャラクターデザイン・総作画監督:浅野直之
【2】ラム
『うる星やつら』のヒロイン。宇宙人・鬼族の代表として、主人公・諸星あたるとの地球の命運を賭けた鬼ごっこの中、成り行きでプロポーズしたあたるを受け入れ、浮気性なあたるを追いかけまわす。健気でキュートなラムは大人気となった。
1981年版では平野文さん、2022年版では上坂すみれさんが演じている。
【3】『国定忠治』
「赤城の山も今宵限りか」のセリフで有名な、講談の演目。江戸時代後期の実在の侠客・国定忠治が天保の大飢饉で農民を救済したというエピソードが、講談や演劇、映画などの題材となり人気を博した。
【4】『ドラえもん』
1979年~2005年まで通常放送と特番を合わせ全1814話が放送されたTVアニメ。原作は藤子・F・不二雄による同名漫画。2005年にリニューアルされ、現在も放送が続いている。
原作:藤子・F・不二雄、チーフディレクター:チーフディレクター:もとひら了・芝山努、キャラクターデザイン・総作画監督:中村英一
【5】『アラレちゃん』
TVアニメ『Dr.スランプ アラレちゃん』のこと。1981年~86年まで全243話が放送された。原作は鳥山明による漫画『Dr.スランプ』。 原作:鳥山明、チーフディレクター:岡崎稔、キャラクターデザイン・チーフ作画監督:前田実
【6】永井一郎(ながい いちろう)さん 
俳優、声優、ナレーター。『うる星やつら』では、チェリー/錯乱坊(さくらんぼう)を演じた。
高橋留美子氏が原作のアニメ作品の常連でもあり、『らんま1/2』(89)八宝斎、『犬夜叉』(00-04)妖霊大聖、『高橋留美子劇場』(03)の『君がいるだけで』ナレーション、『1ポンドの福音』(88/OVA)向田などを演じている。
1961年より声優として活躍し、日本声優界の重鎮の1人として知られた。2014年没。
その他の代表作に、『サザエさん』(69-14)磯野波平、『宇宙戦艦ヤマト』(74-75ほか)佐渡酒造・徳川彦左衛門、『機動戦士ガンダム』(79-80)ナレーション・デギンほか多数、『YAWARA!』(89- 92)猪熊滋悟郎 など。
【7】野沢雅子(のざわ まさこ)さん
声優、俳優。『うる星やつら』では、金太郎を演じた。 TVアニメの創世期より活躍し、初主演作は『ゲゲゲの鬼太郎』(第1作/68-69)。以来、多数の少年主人公を演じてきた。
その他の代表作に、『ど根性ガエル』(72-74)ひろし、『ガンバの冒険』(75)ガンバ、『銀河鉄道999』(78-81ほか)星野鉄郎、『ドラゴンボール』シリーズの悟空・悟飯・悟天など。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「練馬アニメイベント」「練馬アニメカーニバル2015」では、野沢雅子さんが登壇された「放送40周年 『ガンバの冒険』」レポートを掲載しています
【8】メガネ
1981年版『うる星やつら』に登場するオリジナルキャラクターで、主人公・あたるの同級生の1人。ラム親衛隊・最高幹部会議長。原作初期に登場するキャラクターを基に、チーフディレクターの押井守氏が、担当声優の千葉繁氏をモデルにして作り上げた。
【9】古川登志夫(ふるかわ としお)さん
俳優、声優、ナレーター。『うる星やつら』では、主人公・諸星あたるを演じ、古川氏の代表キャラクターのひとつとなった。2022年版『うる星やつら』では、あたるの父を担当している。
声優としての初主演は『マグネロボ ガ・キーン』(76-77)の北条猛。
その他の代表作に、『白バイ野郎ジョン&パンチ』(海外ドラマ/81-85)パンチ、『機動戦士ガンダム』(79-80ほか)カイ、『ドラゴンボール』(86-89ほか)ピッコロ(マジュニア)、『機動警察パトレイバー』(OVA/ 88-89ほか)篠原遊馬 など。
【10】面堂終太郎/神谷明(かみや あきら)さん
『うる星やつら』のメインキャラクターの一人。あたるのライバル的存在で、面堂財閥の御曹司。
担当したのは、声優、俳優、歌手、ナレーターの神谷明氏。
神谷氏は、高橋留美子氏原作のアニメでは、『めぞん一刻』(86-88)三鷹瞬、『高橋留美子劇場』(03)の『おやじローティーン』古田年男、『日帰りの夢』東雲などで出演している。
代表作に、『ゲッターロボ』(74-75)流竜馬、『キン肉マン』(83-92)キン肉マン、『北斗の拳』(84-88)ケンシロウ、『シティーハンター』(87-99)冴羽獠、『名探偵コナン』(96-09)毛利小五郎 など。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「練馬アニメイベント」「練馬アニメカーニバル2013」開催報告では、神谷さんが出演された「ふれ愛ファミリーコンサート」を紹介。
また、「アニメプロジェクトin大泉 2019」開催報告では「神谷明トーク&ソングライブ」レポートを掲載しています
【11】千葉繁(ちば しげる)さん
声優、俳優、音響監督。『うる星やつら』ではメガネを演じ、非常にテンションの高い演技で、強烈な印象を残した。このメガネ役が縁で「千葉繁のプロモーション映像を作る」という企画が立ち上がり、後に押井守氏の実写映画『紅い眼鏡』(87)として結実する。なお後述の斯波重治氏は、『紅い眼鏡』のプロデューサーを務めている。
また、高橋留美子氏原作のアニメ作品には、『めぞん一刻』(86-88)の四谷・惣一郎〈犬〉、『らんま1/2』(89)猿隠佐助で出演。2022年版『うる星やつら』では竜之介の父を演じている。
その他の代表作に、装甲騎兵ボトムズ(83-84)バニラ、『北斗の拳』(84-88)ナレーター・やられ役(多数)、『ハイスクール!奇面組』(85-87)一堂零、『機動警察パトレイバー』(OVA/ 88-89ほか)シバシゲオ など。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「練馬アニメイベント」「練馬アニメカーニバル2018」では、千葉繁さんが登壇された「『機動警察パトレイバー』誕生30周年:原点とこれから」レポートを掲載しています
【12】音響監督
アニメーションやゲームなどで、音声面の演出など、作品の音に関する責任者。
特にアニメーション作品では、アフレコ時の演出や演技指導はもちろん、BGMや効果音のタイミングの指示など、非常に重要な役割を担う。 音響制作のほかにも、キャスティング、音響制作費の予算管理など、その職務は多岐にわたる。
【13】斯波重治(しば しげはる)さん
『うる星やつら』の音響監督。1963年に音響制作会社オムニバスプロモーションを設立。1972年に放送開始した『科学忍者隊ガッチャマン』で、初めてTVアニメの音響監督を務める。
高橋留美子氏原作のアニメ作品では『うる星やつら』のほか、『めぞん一刻』(86-88)、『らんま1/2』(89)、『らんま1/2 熱闘編』(89-92)にも音響監督として参加している。
その他の代表作に、『未来少年コナン』(78/録音監督)、『風の谷のナウシカ』(映画/84/音響監督)、『天空の城ラピュタ』(映画/86/音響監督)、『となりのトトロ』(映画/88/音響監督)、『機動警察パトレイバー』(OVA/ 88-89/録音)など。
【14】杉山佳寿子(すぎやま かずこ)さん
声優、ナレーター、舞台女優。『うる星やつら』では、ラムの従弟・テンを演じた。
高橋留美子氏原作のアニメでは、『らんま1/2 熱闘編』(89-92)の女団長、『高橋留美子劇場』(03)の『おやじローティーン』古田和子、『人魚の森』なつめで出演している。
その他の代表作に、『アルプスの少女ハイジ』(74)ハイジ、『サイボーグ009』(79-80)003/フランソワーズ・アルヌール、『キテレツ大百科』(90-96)コロ助〈2代目〉 など。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「練馬アニメイベント」「練馬アニメカーニバル2014」では、杉山佳寿子さんが登壇された「サイボーグ009誕生50年祭」レポートを掲載しています
【15】高橋留美子(たかはし るみこ)さん
漫画史に残るヒット作を生み出し続けている漫画家。練馬区で30年以上も活動している。
大学在学中の1978年に「勝手なやつら」で第2回新人コミック大賞の佳作に入賞。同年、週刊少年サンデーに「うる星やつら」の連載を開始。1980年には青年誌ビックコミックスピリッツで「めぞん一刻」の連載もスタート。少年誌&青年誌の同時連載は、1987年まで続く大ヒットとなった。
その後も「らんま1/2」(87-96)「犬夜叉」(96-08)「境界のRINNE」(09-18)「MAO」(19~)などの長期連載作品や、「人魚シリーズ」(84~)「高橋留美子劇場」(87~)などのシリーズ作品を発表。いずれも大ヒット作となり、その作品の多くが映像化されている。 2018年に米国アイズナー賞「コミックの殿堂」を受賞。2019年に第46回仏国アングレーム国際漫画フェスティバルでグランプリを受賞。2021年には米国ハーベイ賞にて殿堂入りを果たした。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「アニメニュース」の特集記事「練馬のアニメの新名所『大泉アニメゲート』オープン! アニメのまちの玄関口で等身大モニュメントたちがお出迎え!」では、記念セレモニーのレポートや、高橋留美子先生のコメントなどを掲載しています
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