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連載50年『ブラック・ジャック』とその映像化の歩み

BJ漫画カット©TEZUKA PRODUCTIONS

INDEX

①『ブラック・ジャック』とは?

1973年から1978年にかけて秋田書店の「週刊少年チャンピオン」に連載された『ブラック・ジャック』【1】(以降1983年まで不定期掲載)は、数多ある手塚治虫【2】の作品群においても「後期の傑作」として高い評価を受けている。
全身傷だらけの主人公ブラック・ジャックは、無免許医でありながら天才的な外科技術を持ち、どんな難病や怪我も治してしまう。法外な報酬を要求するので世間からは「悪徳医師」と罵られるが、絶望の淵にあえぐ患者たちは一縷の望みを託して彼に救いを求めることに。ブラック・ジャックは患者の覚悟を見極め、冷酷な表情の下に深い人間愛を隠し、医師として患者に向き合っていく。
医師免許を持つ手塚治虫ならではの経験や医療に対する見識が色濃く反映され、作品全体に手塚特有のヒューマニズムが表現されている。医療の限界や人間の倫理に問いかけ続けたヒューマンドラマであり、人間の本質や現代社会に鋭くメスを入れる「医療マンガの金字塔」といえるだろう。
本作に魅了されたクリエイターによってTVドラマ、オリジナルアニメビデオ、劇場アニメ、アニメTVシリーズなど幾度となく映像化され、連載当時だけでなく今なお多くの人々に世代を超えて感動を与えてきたのである。

②手塚プロダクション取締役 清水義裕さんインタビュー

清水義裕さん

—— 手塚プロダクションに入社された経緯をお教えください。

清水:はじめはアルバイトでした。1973年に虫プロダクション【3】 が倒産したあと、手塚は「もうアニメはやりません」と言っていたそうですが、その言を翻して、1978年に再びアニメ制作をすることになりました。そのとき制作していたのが、日本テレビ「24時間テレビ」の番組内で放映した『100万年地球の旅 バンダーブック』【4】(1978年8月27日放送)でした。久しぶりのアニメ制作ということで手塚プロダクション【5】では人員を募集していたんですね。当時、僕は苦学生だったので、高待遇につられてアルバイトに応募しました。ただ、入社して最初の数カ月はヒマでしたよ。穴開け機で動画用紙に穴を開ける作業をしたら、あとはお茶を飲んでいるだけ。こんなに楽してお金がもらえるなんて、なんていい仕事だと思っていました(笑)。なぜそれだけヒマだったのかというと、手塚から絵コンテが上がってこなかったからなんです。本当なら、とっくに作画に入っていなくちゃいけない時期だったんですよ。でも、当時の手塚は『ブラック・ジャック』だけじゃなくて『ブッダ』【6】『三つ目がとおる』【7】『ユニコ』【8】『火の鳥』【9】と連載を抱えていて、どうしても身内(手塚プロダクション)の仕事は後回しになる。ようやく絵コンテが上がってきたと思ったら2枚だけ。それをコピーして外注先のアニメスタジオに持っていっても、「これだけしかないの?」って怒られてしまう。あまりにもスケジュールが遅れていたので、そのうち制作担当デスクが恐れをなして逃げちゃった。そうこうするうちに、僕が押し出されるようにアルバイトの筆頭になり、進行の責任者のようになっていったんです。そこから放送開始までの3カ月は大変でしたよ。社内の床に毛布を敷いて、ごろっと3時間ほど寝て、起きたらまた仕事……みたいな感じでした。そんなやり方で、ギリギリ放送に間に合ったんです。

清水義裕さん

—— 『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』【10】の第4話「アニメ地獄」では、『バンダーブック』の制作中、手塚先生からのリテイク(撮り直し)が多かったとのエピソードが描かれていました。

清水:『バンダーブック』にはブラック・ジャックが宇宙海賊の役で出てくるんですけど、その登場シーンが特にリテイクされましたね。「ブラック・ジャックはこんなふうに歩かないんですよ」と言われても、素人だった僕には何が違うのかさっぱりわかりませんでした(笑)。当時はソフト化や再放送の予定もないのに、放送終了後にもリテイクの作業をしましたよ。いまソフトや配信などでみなさんにご覧いただけるのは、そのリテイク後のものです。そのリテイク作業が終わった12月頃から、翌年の24時間テレビに向けて『海底超特急 マリン・エクスプレス』【11】(1979年8月26日放映)の準備が始まりました。企画書とか脚本なんてものはナシ。マンガの新連載のときもそうなんですけど、すべて手塚の頭の中でできあがっているんです。とはいえ、絵コンテがすべて上がってきたのは翌年の7月でしたけどね(笑)。僕は『バンダーブック』や『マリン・エクスプレス』以降も24時間テレビ用のアニメや『火の鳥2722 愛のコスモゾーン』【12】など、手塚プロ制作のアニメに関わっていきました。正式に入社したのは1981年です。アニメのことなどまったくわからない僕に、アニメのなんたるかを教えてくれたのは坂口尚さん【13】でした。

テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』
©テレビ朝日/東映

—— 今回『ブラック・ジャック』は24年ぶりに実写化されます。手塚プロダクションでは映像化に際して、どのような基準を設けているのでしょうか。

清水:アニメーションと違い、うちでは実写は作れないものですから、テレビ局などからお話をいただいてから許諾をする、という流れですね。僕もシナリオのチェックはしますが、よっぽど公序良俗に反する表現がない限り、こちらから「ああしてほしい」とか「こうしてほしい」と言うことはありません。今度の高橋一生さん【14】主演するドラマ【15】も同様で、こちらから「50周年だからドラマやりませんか」と企画したわけではなく、お声がけいただいたものなんです。

清水義裕さん

—— そうした手塚プロダクションの方針は、どのように定まったのでしょうか。

清水:これは、日本の寿司がなぜワールドワイドになったか、という理由と同じなんですよ。それまでの寿司職人は、日本では「飯炊き3年、握り5年」と修行を積むものでしたが、「そうじゃなければ本当の寿司ではない」などと言っていたら、これほど世界的に受容されることはなかったでしょう。アメリカの西海岸でアボカド巻きやカリフォルニアロールなどが生まれて、そうした変化を許容したからこそワールドワイドになったんだと思います。うちのライセンスに対する考え方も、基本はこれと同じ。僕はアボカドとカリフォルニアの名前を取って「アボ・カリ」システムって呼んでるんですけどね(笑)。どんどん(原作から)変えてもらったほうがいい。あたらしいものを次々に作っていってもらったほうがいいと思っています。だから『ブラック・ジャック』も、いろいろな人に料理してもらう。幸いにも手塚の作品は、そのどれもが「名作」と呼べる域に達しているので、「料理したい」という人がたくさん出てきたのでしょう。料理人が「やりたい」というものを「どうぞ」とやってもらうのが手塚プロダクションの方針です。

—— その方針は、いつ頃から定まったのでしょうか。

清水:手塚が亡くなってからすぐに、手塚のマネージャーだった松谷孝征【16】(現・代表取締役社長)らと話し合って決めました。割とすぐ、でしたね。それまでは手塚がいたから「(手塚)先生がやりたいことをやらせてあげよう」という意識で動いていました。しかし、これからはそうはいかない。アニメを作ってセールスするだけではなく、それ以外にも仕事の幅を増やしていかなければいけない。展覧会をやれたり、イベントをやれたり、芝居も作れる、ライセンスの仕事もできる……と。『ブラック・ジャック』がはじめてアニメ化されたとき(1993年)には、もう「作り手に任せる」という方針が定まっていたので、最初の会議のときに「どのエピソードを選ぶかは、出﨑(統)【17】監督次第だよね」と松谷と話したことをおぼえています。出﨑監督は原作にないものをいろいろと取り入れましたが、そこはもう「監督にお任せしよう」と。まあ、1話20ページ前後のものを30分アニメにするには、ちょっと短いという事情もありましたからね。

清水義裕さん

—— 手塚プロダクションが常に新しい企画にチャレンジをすることにも、そうした方針が影響していますか。

清水:そうですね、常に「先開発」ということを意識しています。DVDにしても配信にしても、新しいメディアが出てきたら、とにかくうちが最初にやるんだ、と。新しいメディアに『ONE PIECE』【18】とか『NARUTO』【19】なんかが参入してきたら、うちは勝てないですから(笑)。いかに先にやっていくか、という発想です。AI技術を駆使して手塚の“新作”を生み出そうとした『ぱいどん』【20】や、『ブラック・ジャック』【21】の新作を生成AIで作るプロジェクトも、そうして生まれました。今、うちのテーマは「コラボ」なので、新しいものづくりはコラボが中心になっています。

BJ漫画カット(モノクロ)©TEZUKA PRODUCTIONS

—— 改めて『ブラック・ジャック』の魅力はどこにあるとお考えですか。

清水: 『ブラック・ジャック』は2023年に連載50周年を迎えました。この50年の間、医療の技術はめざましく発展しましたが、作品は古びることがありません。それは、ブラック・ジャックは天才的な外科手術の技術を持っていますが、作品としてはそこを売りにしているわけではなく、その技術を使う人間の方を問うているからです。だから何年経っても古びないんでしょうね。僕が特に好きなのは「オペの順番」という回です。イリオモテヤマネコ、赤ん坊、代議士をどの順番で手術するかが問題になり、ブラック・ジャックは代議士をいちばん後回しにするんですよ。普通だったら代議士を先に……なんて思っちゃうところですけどね。現在ではトリアージ(傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めること)の考え方が一般的になっていますけど、それを40年も前に描いていた。ようやく時代が追いついてきてるんですよ。そうした古びない魅力が、『ブラック・ジャック』にはあると思うんですよね。ですから、何か新しいものを作るときは前述した「アボ・カリ」の精神ですが、それと並行して、全集でも配信でも電子書籍でも、手塚の原作はいつでも読める状態にしておくことも大事なんです。やはりそこが原点ですから。手塚の描いた原作に触れてもらえれば、と思っています。

プロフィール

清水 義裕(しみず よしひろ)
株式会社手塚プロダクション取締役。
大学在学中の1978年、手塚プロダクションにアニメーション制作のアルバイトとして勤務。『100万年地球の旅 バンダーブック』(78)などの制作進行や映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』(80)の演出助手として、手塚治虫の映像制作を補助する。1981年、大学卒業と同時に同社に入社。版権部にて著作権を学び、プロデューサーとしてプロダクションの各種契約業務に係わる。1989年手塚治虫没後、プロダクションディレクターを、1999年より著作権事業局長を務め、映像、事業、海外、出版、商品化、著作権等のプロダクション業務全般の管理を担当。2018年4月より取締役に就任。

③『ブラック・ジャック』主演:高橋一生で24年ぶりにドラマ化!

テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』©テレビ朝日/東映

医療とは何か――そんな根源的な問いに深くメスを入れながら、時に厳しく、時に優しく…人の生き方に真正面から向き合うエピソードを次々と紡いできた手塚治虫の名作漫画『ブラック・ジャック』。
法外な治療費と引き換えに、どんな手術も成功させる無免許の天才外科医ブラック・ジャック――コロナ禍を経て医療の在り方がふたたび問われる今、原作から厳選した有名エピソードを凝縮し、その真髄をぐっと掘り下げていきます。

テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』©テレビ朝日/東映

主演ブラック・ジャックを務めるのは、高橋一生。高橋は「正直なところお話を頂いた時は、自分に出来るのかと思いました。幾ら彼の矜持や人情、生に対する思いが好きであっても、いざ自分が演じるとなれば、当たり前ですが話はまったく別です。好きというだけではどうしても成立しない何かがあると思うからです」と、素直な心境を吐露しています。

テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』©テレビ朝日/東映

脇を固める豪華キャスト陣も話題に。ピノコ役の永尾柚乃、ブラック・ジャックのライバル・キリコ役の石橋静河の他、松本まりか、奥田瑛二、橋爪功ら実力派俳優が集結。主題歌は竹原ピストルの新曲「一夜」が起用されています。監督・城定秀夫、脚本・森下佳子、ビジュアルコンセプト/人物デザイン監修/衣裳デザイン・柘植伊佐夫――錚々たる鬼才クリエイターたちも参戦しています。
大反響を呼び放送が待たれる本作が、いよいよ6月30日(日)夜9時に放送いたします。

ドラマ情報

テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』
6月30日(日)よる9時~10時54分(テレビ朝日系)

テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』 ©テレビ朝日/東映

出演
高橋一生 石橋静河 井之脇海 永尾柚乃 山中崇 山内圭哉 味方良介 早乙女太一 千葉哲也 玉置孝匡
宇野祥平 松本まりか 竹原ピストル
奥田瑛二 橋爪功

スタッフ
原作:手塚 治虫『ブラック・ジャック』
脚本:森下 佳子
音楽:大間々 昂
ビジュアルコンセプト・人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植 伊佐夫
造形・特殊メイク:松岡 象一郎
監督:城定 秀夫
制作:テレビ朝日、東映

HP & SNS
◆ホームページ: https://www.tv-asahi.co.jp/bj/
◆X(旧Twitter): @blackjack_asahi
◆Instagram:@blackjack.tvasahi

④『ブラック・ジャック』映像化の歴史

『ブラック・ジャック』は手塚マンガのなかでも「映像化された回数」ではトップクラスに位置する。原作が連載中の1977年にはじめて映像化された映画『瞳の中の訪問者』①【22】を皮切りに、さまざまなジャンルで映像化されてきたが、主としては実写作品とアニメ作品に大別できるだろう。
このうち手塚治虫の生前に制作された映像化作品は『瞳の中の訪問者』とドラマ『加山雄三のブラック・ジャック』③【23】の2作品である。実写作品では誰がブラック・ジャック役を演じるのか気になるところだが、歴代の主演は宍戸錠【24】加山雄三【25】隆大介【26】本木雅弘【27】岡田将生【28】の5人。常に葛藤し続けるブラック・ジャックの内面を表現するために、ネームバリューがあるだけでなく演技力の確かな俳優がキャスティングされてきたのだろう。原作に独自の解釈や新しい要素を加えつつ、役者の持つ魅力でブラック・ジャックという稀代のアンチ・ヒーローの実像に迫ろうとアプローチしているのが実写作品の特徴といえる。
アニメ作品に目を移すと、シリーズものとしては出﨑統監督版④【29】手塚眞監督版⑩【30】がある。丸みを帯びた手塚タッチの原作に対し、出﨑版は劇画調でキャラクターデザインをした。さらに止め絵と光彩の演出を組み合わせた出﨑統特有の演出技法が冴え渡り、原作の持つハードボイルドな面を強く打ち出した作品に仕上がっている。また、ブラック・ジャックの声優には大塚明夫【31】が起用され、以降も「ブラック・ジャックといえば大塚明夫」の方程式が確立されるほどのハマリ役となった。
もう一方の手塚眞版は、原作の魅力にフォーカスしたつくりになっている。手塚治虫の長男・眞【32】による監督シリーズは「手塚のDNA」を色濃く受け継いでおり、ストーリーもキャラクターのタッチも原作に忠実だ。しかし、各話ごとにピノコのキャラクターデザインを変えたり、続編となる『ブラック・ジャック21』⑩-4【33】では1話完結ではない連続シリーズものとして構成したりと、一見するとオーセンティックな仕上がりに見せかけて実験的なことにも挑戦している。このようにアニメ版は、監督の作家性が強く打ち出されているのが特徴といえよう。
このほかにも、宇多田ヒカル【34】がピノコ役を演じて話題になったインターネットアニメ版⑨【35】や、出﨑統の薫陶を受けた桑原智【36】西田正義【37】によるオリジナルビデオアニメ版④-8【38】など、さまざまなバリエーションが存在する。
『ブラック・ジャック』の映像化作品はそれぞれに異なる魅力があり、原作の持つ深いテーマとキャラクターの魅力を活かしつつ、独自性のある物語を提供し、その都度原作の枠組みを拡張してきた歴史がある。24年ぶりに実写化される2024年のTVドラマ版『ブラック・ジャック』でも、新しいブラック・ジャック像を期待するとともに、決して古びることのない原作の魅力の再発見にも期待を寄せたい。

『ブラック・ジャック』映像化関連略年譜

青字は実写化作品オレンジ字はアニメ化作品

 
発表年月
実写・アニメ識別 など
『作品タイトル』
ブラック・
ジャック役
ピノコ役
1973
1973.11
 
原作漫画連載開始(「週刊少年チャンピオン」にて)
『ブラック・ジャック』
 
 
 
1977.11.26
実写映画_宍戸錠版 公開
『瞳の中の訪問者』
宍戸錠
 
 
1978.8.27
②‐1
※別作品アニメTVSP1放送/BJ出演
『100万年地球の旅 バンダーブック』
伊武雅之
 
 
1978.9
 
原作漫画連載終了。以降不定期掲載に移行
『ブラック・ジャック』
 
 
 
1979.8.26
②‐2
※別作品アニメTVSP2放送/BJ出演
『海底超特急 マリン・エクスプレス』
野沢那智
 
1980
1980.3.15
②‐3
※別作品アニメ映画公開/BJ出演
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』
伊武雅之
 
 
1981.1.8‐4.9
実写TVドラマ_加山雄三版 #1‐13放送
『加山雄三のブラック・ジャック』
加山雄三
今井里恵
 
1981.8.23
②‐4
※別作品アニメTVSP3放送/BJ出演
『ブレーメン4 -地獄の中の天使たち-』
野沢那智
 
 
1983.1
原作漫画終了(全243話)
『ブラック・ジャック』
 
 
 
1989.2.9
 
(手塚治虫先生ご逝去)
 
 
1993
1993
④‐1
アニメOVA_出﨑統監督版 #1-3 リリース
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
 
1995
④‐2
アニメOVA_出﨑統監督版 #4‐5 リリース
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
 
1996
アニメ_施設用 京都駅ビル手塚治虫ワールド内上映
ブラック・ジャック
大塚明夫
水谷優子
 
1996
④‐3
アニメOVA_出﨑統監督版 #6 リリース
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
 
1996.4-6
実写ビデオドラマ_隆大介版 #1-3 リリース
『ブラック・ジャック1、2、3』
隆大介
田島穂奈美
 
1996.11.30
④-4
アニメ映画_出﨑統監督版 公開
『ブラック・ジャック 劇場版』
大塚明夫
水谷優子
 
1998
④-5
アニメOVA_出﨑統監督版 #7 リリース
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
 
1999
④-6
アニメOVA_出﨑統監督版 #8 リリース
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
2000
2000
④-7
アニメOVA_出﨑統監督版 #9‐10 リリース
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
 
2000.3
アニメOVA_セット商品用 リリース
『ブラック・ジャック 空からきた子ども』
大塚明夫
水谷優子
 
2000.3.31
⑧-1
実写TVSP_本木雅弘版 #1放送
『ブラック・ジャックⅠ』
本木雅弘
中山詩央里
中山紗央里
 
2000.9.29
⑧-2
実写TVSP_本木雅弘版 #2放送
『ブラック・ジャックⅡ』
本木雅弘
中山詩央里
中山紗央里
 
2001.8.1
アニメオリジナル配信用 #1-12 配信
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
宇多田ヒカル
 
2001.9.29
⑧-3
実写TVSP_本木雅弘版 #3放送
『ブラック・ジャックⅢ』
本木雅弘
中山詩央里
中山紗央里
 
2003.12.22
⑩-1
アニメTVSP_手塚眞監督版 放送
『ブラック・ジャック スペシャル~命をめぐる4つの奇跡~』
大塚明夫
水谷優子
 
2004.10.11‐2006.3.6
⑩-2
アニメTVシリーズ_手塚眞監督版1 #00‐61放送
『ブラック・ジャック』
大塚明夫
水谷優子
 
2005.12.17
⑩-3
アニメ映画_手塚眞監督版 公開
『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』
大塚明夫
水谷優子
 
2005.12.17
アニメ映画『Dr.ピノコの森の冒険』(併映)公開
『Dr.ピノコの森の冒険』
 
水谷優子
 
2006.4.10‐9.4
⑩-4
アニメTVシリーズ_手塚眞監督版2 #1‐17放送
『ブラック・ジャック21』
大塚明夫
水谷優子
 
2006.7.17
⑩-2
アニメTVシリーズ_手塚眞監督版1 未放送分 放送
『ブラック・ジャック 秘蔵版』
大塚明夫
水谷優子
 
2009‐2013
※関連漫画連載
『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』
 
 
2011
2011.4.23
実写TVSP_岡田将生版 放送
『ヤング ブラック・ジャック』
岡田将生
 
 
2011.12.16
④-8
アニメOVA #11-12 リリース
『ブラック・ジャックFINAL』
大塚明夫
水谷優子
 
2013
 
※関連漫画実写TVドラマSP放送
『神様のベレー帽~手塚治虫のブラック・ジャック創作秘話~』
 
 
2024
2024.6.30
実写TVSP_高橋一生版 放送
『ブラック・ジャック』
高橋一生
永尾柚乃

作品紹介

①実写映画_宍戸錠版(『瞳の中の訪問者』)

1977年11月26日に東宝系で公開された映画。監督は大林宣彦。BJ役は宍戸錠。原作さながらのメイクと衣装で登場。手塚治虫氏には不評だったというが、宍戸錠のダンディさと迫力が光る。

②NTV「24時間テレビ」用アニメSP/アニメ映画『火の鳥2772愛のコスモゾーン』

手塚プロダクション清水氏も制作に関わった1978年~1981年に放送・公開されたアニメーション作品群。いずれも手塚治虫が総指揮または総監督を務める。どの作品にも重要な役どころでBJがゲスト出演しており②‐1と3は伊武雅之(現・伊武雅刀)が、②‐2と4は野沢那智が声を担当している。全て配信にて観賞可能。

③実写TVドラマ_加山雄三版(『加山雄三のブラック・ジャック』)

1981年1月から4月にかけてNET(現・テレビ朝日)系で全13話が放送された連続テレビドラマ。BJ役は加山雄三。普段は顔の傷もなく明るい画廊主人だが、手術に際してBJの姿になるという設定。この設定に放送当時かなり面食らった。脚本は後に大河ドラマ『独眼竜政宗』を生むジェームズ三木。

④アニメ_出﨑統監督版

監督・出﨑統、キャラクターデザイン・杉野昭夫の虫プロ出身名コンビによるシリアスでハードタッチなシリーズ。1993年から2000年にかけOVA10作と1996年に劇場版1作が発表された。この作品でBJ役に大塚明夫が起用され、以来ずっと演じ続けている。出﨑監督の没後、後継スタッフにより2011年に第11・12作が発表された。全て配信にて観賞可能。

⑤アニメ_施設上映用

1996年から2011年まで京都駅ビルにあった「KYOTO手塚治虫ワールド」で上映されていた約10分の短編。原作「おばあちゃん」をアニメ化。配信にて鑑賞可能。

⑥実写ビデオドラマ_隆大介版

1996年4月から6月にわたり3か月連続で全3作がリリース。監督は小中和哉。BJ役は隆大介でクールでアンダーな“ダークヒーロー”的なイメージ。1作目は大病院の新米医師・辰巳(演・香川照之)の視点で描かれ、BJ に出会い影響を受けていくことを通して、BJの人物像が描き出される。

⑦アニメOVA_セット商品用(『ブラック・ジャック 空からきた子ども』)

2000年にセット商品向けに制作された短編だが、現在は配信で鑑賞可能。数々の作品で作画監督や原画を担当するアニメーター・瀬谷新ニが監督・作画監督を担当。キャラクターは原作に非常に近く、物語も密度高く構成されている。本作のモチーフは、原作発表直前の1976年9月6日にソヴィエト連邦軍現役中尉が最新鋭のミグ25迎撃戦闘機で函館空港に強行着陸した事件だと考えられる。

⑧実写TVSP_本木雅弘版

2000年3月~2001年9月の間に全3話を放送。BJ役の本木雅弘は、シャープかつシリアスな面とユーモラスな両面を無理なく一体化させた。監督は堤幸彦。ミステリーで物語を引っ張りながら、原作のエッセンスやエピソードを組込んでいく構成が見事。また、ピノコ役に双子の少女を配し、同時に同じセリフをしゃべらせることで“ただの少女ではない”ことを感覚的に理解させている。配信にて鑑賞可能。

⑨アニメオリジナル配信用

2001年8月から全12話が配信されたオリジナルのフラッシュアニメ。1話15分程度の短編。フラッシュアニメなので動きや演出に制約があるが、BJ役は大塚明夫なので違和感なく鑑賞できる。原作の傑作エピソードをきちんと映像化している。ピノコを宇多田ヒカルが演じたことも話題に。配信にて観賞可能。

⑩アニメTVSP&シリーズ&映画_手塚眞監督版

手塚治虫の長男でビジュアリストの手塚眞が監督を務めたアニメ版は、2003年12月から2006年9月まで様々な形で制作・発表された。キャラクターもストーリーも基本的には原作の持つ印象を大事にしているのが特徴。中でもTVシリーズは「21」と合わせて80本もありBJの世界を存分に堪能できる。全て配信にて観賞可能。

⑪実写TVSP_岡田将生版(『ヤング ブラック・ジャック』)

2011年4月23日にNTV系で放送されたドラマ。設定を微妙に調整することで、本間丈太郎による間黒男の生還、タカシの皮膚提供、黒男が医師を目指す動機、独自の倫理観と覚悟の所在――をスピーディに描き出す快作。現在第一線で活躍する俳優たちの若き姿も魅力。中でも本間丈太郎を演じた市村正親は、このキャスティングしかありえない!と感じさせるハマり役。

⑫実写TVSP_高橋一生版

2024年6月30日(日)21時よりテレビ朝日系で放送が予定されているドラマ。高橋一生がBJを演じる。
※配信情報は2024年6月28日現在のもの

⑤練馬区と手塚治虫:過去に取り上げた手塚治虫関連のリンク集

「映像∞文化のまち ねりま」サイト

―コラム ねりま×映像∞文化―
映像を刺激する“漫画の神様”手塚治虫

https://nerima-eizobunka.com/column/1039/

練馬アニメーションサイト

練馬アニメカーニバル2019 レポート
名匠・出﨑統監督を語ろう~TVアニメ『エースをねらえ!』第26話(最終話)と『ブラック・ジャック(OVA)』を上映~

https://animation-nerima.jp/event/carnival/carnival2019/report/

「練馬にいた!アニメの巨人たち」
第21回/22回/23回 手塚治虫さん

https://animation-nerima.jp/enjoy/kyojin/vol21/
https://animation-nerima.jp/enjoy/kyojin/vol22/
https://animation-nerima.jp/enjoy/kyojin/vol23/

アニメニュース
手塚治虫先生を振り返るトークイベント《手塚治虫先生と練馬富士見台のあの日あの頃》レポート

https://animation-nerima.jp/topics/topic-news/5272/

アニメニュース
【アニメ・マンガがアツい!練馬・中野・杉並・豊島を楽しむ!】としま国際アート・カルチャーフォーラム「浦沢直樹、手塚治虫を語る」が開催されました

https://animation-nerima.jp/topics/topic-news/4821/

アニメニュース
練馬のアニメの新名所『大泉アニメゲート』オープン! アニメのまちの玄関口で等身大モニュメントたちがお出迎え!

https://animation-nerima.jp/topics/feature/vol08/

登場する人物名等の解説

【1】『ブラック・ジャック』
手塚治虫氏による医療漫画。週刊少年チャンピオン(秋田書店)にて1973~78年まで連載、79~83年まで不定期連載された。全243話。 「医療と生命」をテーマに、無免許だが神業ともいえる技術で世に名を知られる、天才外科医ブラック・ジャックの活躍を描く。
【2】手塚治虫(てづか おさむ)さん
漫画家、アニメーション制作者。代表作に『新寳島』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ブラック・ジャック』など。
1961年に「手塚治虫プロダクション動画部」(1962年に「虫プロダクション」に改称)を設立し、実験アニメ『ある街角の物語』を発表。1963年には日本初の30分枠連続TVアニメ『鉄腕アトム』を制作し大ヒット、TVアニメブームの先駆けとなった。『どろろ』『ブラック・ジャック』『陽だまりの樹』などを始め、多くの作品が実写・アニメを問わず映像化されてきた。1989年2月9日逝去。
逝去から30年以上経ちながら、『ばるぼら』『火の鳥』など氏の作品を原作とした映像作品が近年も数多く生み出されている。
※当サイトの「コラム ねりま×映像∞文化」内、「映像を刺激する“漫画の神様”手塚治虫」では、手塚治虫氏が手掛けた作品や、映像化作品について紹介。また、当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内の「練馬にいた!アニメの巨人たち」第21回第22回第23回と、「練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編」でも、手塚治虫氏についても詳しく紹介しています
【3】虫プロダクション
アニメーション制作会社・虫プロダクションの通称。1961年に漫画家でアニメーターでもあった手塚治虫が設立し、1973年まで活動したアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」(旧)と、1977年に旧虫プロの労働組合を母体として設立された「虫プロダクション株式会社」(新)がある。ここでは虫プロダクション(旧)を指す。1963年に制作された日本初の30分枠連続TVアニメ『鉄腕アトム』は、日本のアニメビジネスの先駆けとなった。また、出﨑統や富野由悠季など、後のアニメ界をけん引する優れた人材を数多く輩出している。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内の「練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編」では、虫プロダクション(旧)について詳しく紹介しています
【4】『100万年地球の旅 バンダーブック』
手塚プロダクションが制作し、1978年の第1回〈24時間テレビ 「愛は地球を救う」〉内で放送されたTVアニメスペシャルの第1弾。
原案・構成・演出:手塚治虫/チーフディレクター・キャラクターデザイン・美術構成:坂口尚/出演:水島裕、小山茉美、大平透、富田耕生、伊武雅刀 ほか
【5】手塚プロダクション
手塚治虫作品の著作権管理とアニメーション制作を主な業務としているプロダクション。1968年に手塚治虫が漫画制作・管理のための会社として1968年に設立したのが始まり。これにより虫プロ(旧)はアニメ制作、手塚プロはマンガ制作と、その仕事を切り分けた。1971年に手塚氏は虫プロ社長を退任、手塚プロ内にアニメ部門が作られた。虫プロ(旧)倒産後は、手塚作品のアニメ化の他、一般的なアニメスタジオとしての業務も行っている。虫プロ(旧)出身者の多いアニメスタジオであるマッドハウスやMAPPA、M2制作の作品では、制作協力や共同制作を行うなど、関係も深い。
【6】『ブッダ』
少年漫画雑誌「希望の友」(潮出版/のちに「少年ワールド」「コミックトム」に改題)にて1972~83年まで連載された漫画。「釈迦」「仏」「ブッダ」などで知られる仏教の開祖「ゴータマ・シッダルタ」の生涯を描いた作品。2011年と2014年に2部構成で劇場アニメ化されたほか、演劇やミュージカル化もされている。
【7】『三つ目がとおる』
「週刊少年マガジン」(講談社)に1974~78年まで連載された漫画。超古代文明を繁栄させた「三つ目族」の末裔・写楽保介が、相棒の和登千代子と古代史にまつわる難事件に立ち向かう姿が描かれる。1985年の24時間テレビ 「愛は地球を救う」内TVアニメスペシャルのほか、1990~91年には全48話でTVアニメ化されている。また、ゲームや小説、リメイク版漫画などもある。
【8】『ユニコ』
雑誌「リリカ」(サンリオ)に1976~79年まで連載された漫画。人から愛されると、その人を幸せにする魔法が使えるユニコーンの子供、ユニコの冒険を描いたファンタジー。1980~84年には、児童向け雑誌「小学一年生」にてリメイク版が連載された。 1981年に公開された劇場用長編アニメをはじめ、数度アニメ化されている。
【9】『火の鳥』
手塚治虫がライフワークとして描き続けたシリーズ作品。過去や未来、地球や宇宙を舞台に、永遠に生き続ける人智を超えた存在「火の鳥」を追い求める人々の運命が描かれる。
1978年に市川崑が手掛けた実写映画や、手塚治虫自ら監督したアニメーション映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』、近年では2023年に配信がスタートしたアニメ『PHOENIX:EDEN17(邦題:火の鳥 エデンの宙)』や、同作とはエンディングが異なる映画版『火の鳥 エデンの花』をはじめ、劇場アニメ、TVアニメ、配信アニメ、OVA、ゲームなどで映像化されたほか、ラジオドラマや小説、舞台、ミュージカルなど、様々なメディアで展開している。
【10】『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』
原作:宮崎克、作画:吉本浩二による漫画。「週刊少年チャンピオン」および「別冊少年チャンピオン」に、2009~14年に不定期掲載された。
「ブラック・ジャック」に限らず、手塚治虫の漫画やアニメの制作現場の舞台裏を、当時のスタッフや担当編集者、家族関係者に取材し、回想という形で描いている。2013年にTVドラマ化され、関西テレビ放送開局55周年記念ドラマ『神様のベレー帽〜手塚治虫のブラック・ジャック創作秘話〜』として放送された。
【11】『海底超特急 マリン・エクスプレス』
手塚プロダクションが制作し、1979年の〈24時間テレビ 「愛は地球を救う」〉内で放送されたTVアニメスペシャルの第2弾。人類最先端の海底超特急「マリン・エクスプレス」の試運転に乗り込んだ人々が、同中に巻き込まれた未曾有の事件に立ち向かう姿が描かれる。
手塚作品キャラクターによるスターシステムがとられており、アトム、ブラック・ジャック、サファイア、ロックなど、お馴染みのキャラクターが多数登場する。
原案・総指揮:手塚治虫/チーフディレクター:出崎哲/演出:手塚治虫、出崎哲/出演:富田耕生、小山茉美、武岡淳一、野沢那智、清水マリ、勝田久 ほか
【12】『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』
手塚プロダクションが制作し、1980年に公開された劇場用アニメ。手塚治虫氏の代表作である「火の鳥」シリーズの映像化作品のひとつだが、劇場用オリジナルストーリーとなっている。
原案・構成・総監督:手塚治虫/監督:杉山卓/脚本:手塚治虫、杉山卓/アニメーション・ディレクター:中村和子、石黒昇/出演:塩沢兼人、三輪勝恵、竹下景子 ほか
【13】坂口尚(さかぐち ひさし)さん
アニメーター、マンガ家。1963年に虫プロに入社。『鉄腕アトム』(63~66)、『ジャングル大帝』(65~66)に原画として参加。『リボンの騎士』(67~68)では演出も担当した。その後フリーとなり、1969年「COM」9月号に掲載された「おさらばしろ!」でマンガ家デビュー。COM休刊後は再びアニメーターとして活動。手塚作品では『100万年地球の旅 バンダーブック』(78)、『海底超特急マリン・エクスプレス』(79)、『フウムーン』(80)などに参加。その後マンガ家として活動を再開。「石の花」(83~86)「VERSION」(89~91)、「あっかんべェ一休」(93~95)の長編3部作を発表するが、「あっかんべェ一休」最終話脱稿直後の1995年末に逝去。
【14】高橋一生(たかはし いっせい)さん
俳優。1990年の映画『ほしをつぐもの』で映画初出演。1995年にはスタジオジブリの映画『耳をすませば』で主要キャラクター・天沢聖司の声を演じた。TVドラマ『民王』(15)、『カルテット』(17)、『おんな城主 直虎』(17)や映画『シン・ゴジラ』(16)では主要キャストとして出演し注目を集め、2018~19年には『僕らは奇跡でできている』、『みかづき』、『東京独身男子』と3期連続でドラマの主演を務めた。2020年からは荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ漫画を原作とする『岸辺露伴は動かない』の主人公・岸辺露伴を演じ大きな話題となり、2023年には映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も公開。代表作の1つとなった。
2024年6月30日(日)21:00より放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』では、ブラック・ジャック役を務める。
【15】主演するドラマ
6月30日(日)21:00より放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』のこと。「ブラック・ジャック」の実写映像化は24年ぶりとなる。
原作:手塚治虫/監督:城定秀夫/脚本:森下佳子/出演:高橋一生、永尾柚乃、石橋静河、松本まりか、奥田瑛二、橋爪功 ほか
【16】松谷孝征(まつたに たかゆき)さん
プロデューサー、現・手塚プロダクション社長。大学卒業後に職を転々とした後、「漫画サンデー」(実業之日本社)で手塚治虫の担当編集者となる。1973年には手塚プロダクションに入社、手塚治虫のマネージャーを務める。1980年代に入ると手塚プロダクションが制作するアニメーション作品のプロデュースも手がけるようになり、1985年には代表取締役社長に就任した。
【17】出﨑統(でざき おさむ)さん
アニメーション監督。1963年に虫プロダクションに入社。1970年のTVアニメ『あしたのジョー』で、初めてチーフディレクターを務める。1972年にはアニメ制作会社マッドハウスの設立に参加。TVアニメ『エースをねらえ!』(73-74)、『ガンバの冒険』(75)『家なき子』(77-78)、『宝島』(78-79)など多数の作品に関わる。1980年、TVアニメ『あしたのジョー2』制作を機にスタジオあんなぷるを設立。『おにいさまへ・・・』(91)から手塚プロダクション制作作品にも関わるようになり、1993年からはOVA『ブラック・ジャック』を手掛けた。2011年 逝去。 ※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「練馬にいた!アニメの巨人たち」第5回第6回第7回第8回では、出﨑統監督をとりあげています
【18】『ONE PIECE』
東映アニメーションが製作し、1999年より放送中のTVアニメ。
原作は週刊少年ジャンプにて1997年より連載中の、尾田栄一郎による同名漫画。劇場版も制作されており、2022年公開の『ONE PIECE FILM RED』は、興行収入150億円を超える大ヒットとなった。
【19】『NARUTO -ナルト-』
studioぴえろが製作し、2002~07年まで全220話が放送されたTVアニメ。第二期『NARUTO -ナルト- 疾風伝』も2007~17年まで全500話が放送された。
原作は週刊少年ジャンプにて1999~2014年まで連載された、岸本斉史による同名漫画。劇場版も制作されており、原作最終話に合わせて制作された劇場版第10作『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』(14)は20億、『THE LAST』のその後を描いた第11作『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』は26億の興行収入を記録している。
【20】『ぱいどん』
AIによる手塚治虫の新作漫画制作プロジェクト「TEZUKA2020」にて2020年に発表された漫画。高度にデジタル管理化された2030年の東京を舞台に、ある姉妹からの依頼を受けた青年・ぱいどんが、事件の謎に挑む。
【21】『ブラック・ジャック』の新作
手塚治虫作品を学習したAIと、人間のクリエーターによる共同制作プロジェクト「TEZUKA2023」による新作『ブラック・ジャック 機械の心臓-Heartbeat Mark II』が、「週刊少年チャンピオン」に掲載された。
【22】『瞳の中の訪問者』
1977年に公開された映画。原作の「春一番」を映像化しているが、患者として登場する千晶を主人公としており、宍戸錠が演じるブラック・ジャックはゲストとして扱われている。テニスの練習中に左目を負傷した千晶。だが、ブラック・ジャックの手術により、奇跡的に回復する。しかしある時から、千晶の目には周りの人には見えない「幻の男」が見えるようになり…。
原作:手塚治虫/監督:大林宣彦/脚本:ジェームス三木/出演:宍戸錠、片平なぎさ、山本伸吾、志穂美悦子 ほか
【23】『加山雄三のブラック・ジャック』
1981年に全13話が放送されたTVドラマ。加山雄三が演じるブラック・ジャックは、普段は画廊経営の実業家・坂東次郎として生活し、無免許医師として動く時はマントを羽織るという設定に変更されている。
原作:手塚治虫/監督:番匠義彰、渡邊祐介、山根成之/脚本:ジェームス三木、山下六合雄/出演:加山雄三、秋吉久美子、藤岡琢也、松村達雄、大鹿伸一、今井里恵/オープニングナレーション:田中邦衛
【24】宍戸錠(ししど じょう)さん
俳優。1954年に日活ニューフェイスの1期生として入社。翌55年の『警察日記』でデビュー。『渡り鳥』シリーズや、『拳銃無頼帖』シリーズなどの日活無国籍アクションのライバル役で活躍し、「エースのジョー」のニックネームで親しまれた。1961年『ろくでなし稼業』で初主演。その後も映画やTVドラマ、バラエティ番組、洋画の吹替えなど多方面で活躍した。代表作に『野獣の青春』(63)、『拳銃(コルト)は俺のパスポート』(67)、『殺しの烙印』(67)など。2020年1月18日逝去。
【25】加山雄三(かやま ゆうぞう)さん
俳優、歌手。1960年に東宝に入社し、『男対男』でデビュー。同年、『独立愚連隊西へ』で初主演を果たす。翌1961年の主演作『大学の若大将』が大ヒットし、以後、若手看板スターとして活躍。本作の挿入歌「夜の太陽」をきっかけに、歌手としても人気を博した。TVのドラマや歌番組、バラエティなどでも活躍。代表作に映画『若大将』シリーズ、『椿三十郎』(62)、『赤ひげ』(65)、『日本のいちばん長い日』(67)、TVドラマ『大追跡』(78)など。
【26】隆大介(りゅう だいすけ)さん
俳優。1980年に公開された黒澤明監督映画『影武者』で織田信長を演じ、ブルーリボン賞新人賞を受賞。1982年のNHK大河ドラマ『峠の群像』では浅野内匠頭役でエランドール新人賞を受賞し、注目される。主な出演作に映画『幻の湖』(82)『乱』(85)『五条霊戦記 GOJOE』(00)などがある。声優として担当した、アニメリカのTVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』(86-88※日本)の主人公ソニー・クロケット刑事役でも人気を博した。
Vシネマ版『ブラック・ジャック』(86/3部作)では、ブラック・ジャックを演じた。
【27】本木雅弘(もとき まさひろ)さん
俳優。アイドルグループ「シブがき隊」(本木雅弘、布川敏和、薬丸裕英)として歌手デビュー。88年に解隊するまで、トップアイドルとして活躍した。その後は俳優として映画『ファンシイダンス』(89)、『シコふんじゃった。』(92)、NHK大河ドラマ『徳川慶喜』(89)などに主演。2009年に企画・主演した『おくりびと』(08)はアカデミー賞外国語映画賞を受賞した。 2000年の2時間ドラマ『ブラック・ジャック』ではブラック・ジャックを演じた。本作はシリーズ化もされ、全3作が放送された。
【28】岡田将生(おかだ まさき)さん
俳優。2006年にCMでデビュー。2008~09年にかけて、映画『魔法遣いに大切なこと』、『ハルフウェイ』、『ホノカアボーイ』、『重力ピエロ』、『僕の初恋をキミに捧ぐ』に主役級で出演し、2009年度の映画賞の新人賞を総なめにする活躍で注目を浴びる。翌年には『悪人』『告白』の2作品で日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞した。その他の代表作に、TVドラマ『平清盛』(12)『リーガルハイ』(13)『昭和元禄落語心中』(18)、映画『宇宙兄弟』(12)『ドライブ・マイ・カー』(21)『ゴールド・ボーイ』(24)など。
2011年に放送された単発ドラマ『ヤング ブラック・ジャック』では、間時生/ブラック・ジャックを演じた。なお、同名の漫画・アニメとの関連は無い。
【29】出﨑統監督版
手塚プロダクションが制作し、1993年から2011年にかけて全12話が発表されたOVA『ブラック・ジャック』シリーズのこと。1996年には、このOVAの流れをくむ劇場用長編アニメ『ブラック・ジャック 劇場版』も制作された。OVAのKARTE Xまでと劇場版は、出﨑統氏が監督を務めた。出﨑統監督没後にリリースされたOVA最終作のKARTE XI、KARTE XIIには、監修・シリーズ名誉監督としてクレジットされている。 
原作・オリジナルキャラクター:手塚治虫、監督:出﨑統(OVA1~10/劇場版)、キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫/出演:大塚明夫、水谷優子 ほか
【30】手塚眞監督版
2003年に放送されたTVスペシャル『ブラック・ジャック スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』、2004~06年に放送されたTVアニメ『ブラック・ジャック』(全63話)及び続編の『ブラック・ジャック21』(全17話※後述)、2005年公開された劇場版『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』のこと。制作はいずれも手塚プロダクション。
原作:手塚治虫/監督:手塚眞/出演:大塚明夫、水谷優子 ほか
【31】大塚明夫(おおつか あきお)さん
声優、ナレーター、俳優。父は声優の大塚周夫。1988年にOVA『あいうえおアニメ 世界名作童話全集』のシルバー役でデビュー。OVA『機甲猟兵メロウリンク』(88-89)のキーク・キャラダイン、TVアニメ『ふしぎの海のナディア』(90-91)のネモ、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(91-92)のアナベル・ガトー、映画『紅の豚』のミスター・カーチス、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のバトーと、立て続けに主要キャラクターを演じ注目を集める。そのほかの代表作に、TVアニメ『白鯨伝説』(97-99)『Fate/Zero』(11-12)『ゆるキャン△』(18-24)『ヴィンランド・サガ』(19-23)『ルパン三世 PART6』(21-22)、ゲーム『METAL GEAR SOLID』(98)など。また、洋画では、スティーヴン・セガール、デンゼル・ワシントン、ニコラス・ケイジなど、多数の吹替えを担当している。
1993年に出﨑統監督のOVA『ブラック・ジャック』のブラック・ジャック役に抜擢されて以降、TVシリーズ、劇場作品をはじめ、様々な手塚治虫関連作品などにブラック・ジャック役で出演している。
【32】手塚眞(てづか まこと)さん
映画監督、ヴィジュアリスト。手塚治虫の長男。高校在学時に初制作した8mm映画『FANTASTIC★PARTY』が、「日本を記録する8mmフェスティバル」高校生部門特別賞を受賞し高く評価される。日本大学芸術学部映画学科に進学し、1981年には8mm映画『MOMENT』を監督。在学中の1985年に映画『星くず兄弟の伝説』でプロデビュー。1986年にはVシネマ『妖怪天国』を監督し話題となる。代表作に『東大寺伝説・金剛奇譚』(91)、『黒澤明・映画の秘密』(91)、『白痴』(99)、『星くず兄弟の新たな伝説』(16)、『ばるぼら』など。2004~06年には、TVアニメ『ブラック・ジャック』を手掛けた。また、浦沢直樹の漫画『PLUTO』の監修も務めている。
【33】『ブラック・ジャック21』
前述の手塚眞監督版TVアニメ『ブラック・ジャック』の続編。2006年に全17話が放送された。 原作:手塚治虫/監督:手塚眞/チーフディレクター:桑原智/シリーズ構成:隅沢克之/出演:大塚明夫、水谷優子 ほか
【34】宇多田ヒカル(うただ ひかる)さん
歌手、ミュージシャン、シンガーソングライター。1998年1stシングル「Automatic/time will tell」でメジャーデビュー。本シングルは200万枚を売り上げる大ヒットとなった。翌1999年発売の1stアルバム『First Love』は国内で約765万枚、国外を含めると約990万枚を売り上げ、日本国内の歴代アルバムチャート1位となった。以降もヒットが続き、様々な音楽賞を受賞している。CMソングをはじめ、映画、ドラマ、アニメ、ゲームなどのタイアップも多い。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ4作ではそれぞれに主題歌を提供、それらの楽曲が収録されたEP『One Last Kiss』もリリースされている。 2001年8月1日に配信開始されたインターネットアニメ『ブラック・ジャック』では、ピノコ役に起用されたことも話題になった。また読書家で、マンガ好きでもある宇多田は、2017年に全国の38書店で展開された本人による選書企画「宇多田書店」にて、手塚治虫の『ブラック・ジャック』『七色いんこ』『ブッダ』も選書に挙げている。
【35】インターネットアニメ版
2001年にTezukaOsamu@Cinemaにて全12話が有料配信された。ピノコの声を、歌手の宇多田ヒカルが担当している。現在は、各種配信サイトで視聴可能。 原作:手塚治虫/監督:本田ちさと/作画監督:玉置千夏/出演:大塚明夫、宇多田ヒカル ほか
【36】桑原智(くわばら さとし)さん
アニメ監督、演出家。手塚プロダクションに入社し、出﨑統監督の手掛けるTVアニメ『おにいさまへ…』(91-92)の制作進行を務める。その後、『手塚治虫の旧約聖書物語』(92-93※日本での放送は97)では演出助手として出﨑統監督より指導を受ける。2000年に放送されたTV特番『手塚治虫スペシャル 20世紀最後の怪事件 〜鉄腕アトムの名推理!〜』のアニメパート『手塚治虫が消えた!? 20世紀最後の怪事件』で初監督。TVアニメ『ブラック・ジャック』(04-06)および『ブラック・ジャック21』(06)ではチーフディレクターを、OVAシリーズ『ブラック・ジャックFINAL』(11)ではKARTE XI「おとずれた思い出」の総監督を務めた。
【37】西田正義(にしだ まさよし)さん
アニメ監督、演出家。手塚プロダクションに入社後、TVアニメ 『青いブリンク』(98-90)の動画、『三つ目がとおる』(90-91)原画を務めたのち、『おにいさまへ…』(91-92)『手塚治虫の旧約聖書物語』(92-93※日本での放送は97)で出﨑統監督に出会い指導を受ける。その後も、OVA『ブラック・ジャック』(93-11)『白鯨伝説』(97-99)手塚治虫アニメシアター『ASTRO BOY 鉄腕アトム特別編』(03-04)などの出﨑統監督作品に、原画や作画監督で参加した。
OVAシリーズ『ブラック・ジャックFINAL』(11)では、KARTE XII「美しき報復者」の総監督を務めた。
【38】オリジナルビデオアニメ版
上記の出﨑統監督版OVAシリーズのうち、2011年に発表された『ブラック・ジャックFINAL』KARTE XI「おとずれた思い出」、KARTE XII「美しき報復者」のこと。KARTE XIは桑原智、KARTE XIIは西田正義が総監督を務めた。 原作:手塚治虫/企画・プロデュース:清水義裕/監修・シリーズ名誉監督:出﨑統/総監督:桑原智(KARTE XI)、西田正義(KARTE XII)/脚本:森田眞由美/出演:大塚明夫、水谷優子 ほか
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