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アニメーターの技術と思考過程に触れられる「太田晃博 作画展2nd -イメージを具現化するアニメーターの仕事 -」が開催中

東映アニメーションが誇る凄腕アニメーター・太田晃博

東映アニメーションが誇る凄腕アニメーター・太田晃博

練馬区東大泉にある東映アニメーションミュージアム【1】は、現存する最古のアニメ製作会社である東映アニメーション【2】が運営。貴重な資料でアニメ製作の工程を知ることができるだけでなく、歴代プリキュア【3】が勢ぞろいするフォトスポットや、『聖闘士星矢』【4】『おジャ魔女どれみ』【5】『ONE PIECE』【6】など同社を代表する作品に関する常設展示が行われており、子どもから大人まで楽しめる入場無料の博物館だ。 東映アニメーションは、2025年より“CREATORS FILE(クリエイターズ ファイル)”と題し、同社所属のクリエイターにスポットを当てた展示会を、ミュージアム内の特設会場にて始動。第1弾では『夢のクレヨン王国』【7】『ふたりはプリキュア』【8】のキャラクターデザインなどで知られるアニメーター・稲上晃【9】氏の仕事を取り上げた。 そして第2弾に選ばれたのが、太田晃博氏だ。 2026年7月21日(火)から8月31日(月)にかけて、「東映アニメーションCREATORS FILE02:太田晃博 作画展2nd -イメージを具現化するアニメーターの仕事 -」が開催されている。タイトルに「2nd」とあるのは、今年3月から5月の展示会が好評を博し、展示内容をアップデートした第2期を開催することになったため。 1989年に宮城県で生まれた太田晃博氏は、高校生のときにアニメーターを志し、2008年に19才で東映アニメーション研究所(1995~2011年にかけて製作現場の即戦力育成のため開講していた)に入所。2010年に東映アニメーションに入社し、TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期【10】(2018~2020)、劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』【11】(2019)、TVアニメ『ワールドトリガー2nd・3rdシーズン』【12】(2021~2022)などに参加。ロングランヒットを記録した、劇場版『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』【13】(2023)の作画監督(クオリティアップや絵の統一感を出すために各アニメーターが描いた原画を修正する)を務めたことでも知られている。息をのむような臨場感あるアクションシーンはとくに評価が高い。

「太田晃博 作画展2nd -イメージを具現化するアニメーターの仕事 -」展示レポート

「太田晃博 作画展2nd -イメージを具現化するアニメーターの仕事 -」展示レポート

会場内は『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、『ワールドトリガー3rdシーズン』、『ONE PIECE』(1999~)と、素描や作画遍歴紹介という大きく4つのエリアに分かれている。また、『ワールドトリガー』と『ONE PIECE』エリアは、前回開催時から展示内容が一新されているので、第1期に来場したという人も必見だ。

「太田晃博 作画展2nd -イメージを具現化するアニメーターの仕事 -」展示風景

最初の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』エリアでは、太田氏が原画・作画監督を担当した、物語中盤のテラスでの鬼太郎の父VS裏鬼道のシーンをピックアップ。絵コンテをもとにした演出との作画打ち合わせ、アクションを実際に演じて参考動画撮影、原画や作画監督の作業、そして完成映像と、アニメ製作の流れに沿って、アニメーターの仕事内容がわかりやすく解説されている。 従来の原画展と大きく違うのは、監督が描いた絵コンテを、太田氏がどんな視点で解釈し、どのような工夫と技法によって表現したのかが、本人が書いたコメントと実際の場面写真で解説されている点。絵コンテやタイムシートの見方、専門用語の注釈もあり、アニメ製作の知識がない人や絵を描かない人にも、アニメーターの仕事の奥深さが感じ取れる展示になっている。 続く『ワールドトリガー3rdシーズン』のエリアでは、放送当時ネットで劇場版のようなクオリティの高さだと話題になった13話「1対1」の原画が並ぶ。ラストの激しいバトルシーンがとくに大きく取り上げられていた。さらに『ONE PIECE』エリアでは、エッグヘッド編の1112話「激突!シャンクスVSユースタス・キッド」をメインに据え、1072話「ふざけた能力!躍動するギア5」など、ワノ国編の担当カットも展示。この2作品の原画にも、表現の工夫や意識した点などを詳細に解説したコメントがつけられている。

「太田晃博 作画展2nd -イメージを具現化するアニメーターの仕事 -」展示風景

最後は作画遍歴紹介のエリアだ。アニメを好きになった高校時代から、アニメーターとしての試行錯誤と成長の歴史が、当時の素描とともに展示されている。注目してほしいのは、27才のとき作画を“言語化”して捉えることに目覚めたというところ。原画や映像だけでなく、作画するときの思考回路まで展示するこの展示会の斬新な構成は、“言語化”によって腕を磨いてきた、太田氏のアニメーター人生が反映されたものなのだ。人気作品の原画を見ながら、スターアニメーターの思考に触れられる貴重な機会を、ぜひ楽しんでほしい。

東映アニメーションCREATORS FILE02:太田晃博 作画展2nd‐イメージを具現化するアニメーターの仕事-

東映アニメーションCREATORS FILE02:太田晃博 作画展2nd‐イメージを具現化するアニメーターの仕事-

開催期間:7月21日(火)~8月31日(月) 11:00~16:00(最終受付 15:30) 休館日:毎週水曜日・そのほか不定休 今月の開館カレンダー: https://museum.toei-anim.co.jp/#calendar 入館料:入館料 会場:東映アニメーションミュージアム 特設会場内 ミュージアム入口で受付をしてご入館ください。 展示室に入って右手側、フォトエリアに特設会場の入り口がございます。 メインビジュアルの大きな看板が目印です 住所:東京都練馬区東大泉2-10-5 関連URL:https://museum.toei-anim.co.jp/

登場する人物名等の解説

【1】東映アニメーションミュージアム
東映アニメーション(旧・東映動画)のこれまでの軌跡を網羅したミュージアム。 内部は資料展示エリア、中庭、ミュージアムショップに分けられ、資料展示エリアには大型タッチパネルで作品情報や映像が閲覧できる「東映アニメーションワークス」のコーナーや、アニメの製作過程をセル画時代とデジタル時代で比較しながら解説する「アニメのできるまで」というコーナー、そして「プリキュア」シリーズなど現在放送中の同社作品の関連資料を展示するスペースなどが設けられている。 その他、キッズ向けの遊び場や撮影スポットが多数用意された「わくわくエリア」などもあり、家族で楽しめるアミューズメントスポットとなっている。 東映アニメーションのアニメ製作の拠点である大泉スタジオが2018年に新スタジオへと生まれ変わったのを機に、旧スタジオ内に設けられていた「東映アニメーションギャラリー」を大幅リニューアルして公開が開始された。 ねりま 映像∞文化MAP 東映アニメーションミュージアム
【2】東映アニメーション
日本を代表するアニメーション製作会社のひとつ。代表作には『ドラゴンボール』シリーズ、『セーラームーン』シリーズなど、誰もが知る超ヒット作が並び、現在も『ONE PIECE』や『プリキュア』シリーズなど、世代を超える人気コンテンツを生み出し続けている。 1956年に東映動画として練馬区東大泉に設立され、1958年の日本初の長編カラーアニメ映画『白蛇伝』を皮切りに、数々の名作アニメを製作。79年には映画『銀河鉄道999』が大ヒットし、爆発的なアニメブームを引き起こした作品のひとつとなる。コンピュータによるアニメ製作、自社コンテンツの海外販売などにも早くから取り組み、日本のアニメ産業のけん引役ともいえる存在となった。98年には東映アニメーション株式会社と社名変更し、現在へと至っている。 ※当サイトのコラム ねりま×映像∞文化《定番を誠実に、 そしてその先を切り拓く ~東映アニメーションの現在とこれから~》では、東映アニメーションとその作品について紹介しています。
【3】『プリキュア』シリーズ
東映アニメーションが製作するTVアニメシリーズ。2004年放送の『ふたりはプリキュア』から現在まで放送が続く大ヒットシリーズとなっている。劇場版も製作されており、2008年の『映画 Yes!プリキュア5鏡の国のミラクル大冒険!』からは子ども向けの入場特典として〈ミラクルライト〉が配布され、クライマックスシーンでライトを使って応援するのが定番となっている。
【4】『聖闘士星矢』
東映動画(現・東映アニメーション)が製作し、1986~1989年に放送されたTVアニメ。原作は週刊少年ジャンプにて1985年から1990年に連載された、車田正美による同名マンガ。 2014年には3DCG映画『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』が公開。2019年からはNetflixにて3DCG作品『聖闘士星矢: Knights of the Zodiac』も配信されている。
【5】『おジャ魔女どれみ』
東映アニメーションが製作した、オリジナル魔法少女アニメシリーズ。1999年にTVシリーズとして『おジャ魔女どれみ』がスタート。以降 『おジャ魔女どれみ♯』(00-01)『も〜っと!おジャ魔女どれみ』(01-02)『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』(02-03)まで全4期が放送された。劇場版も製作されたほか、コミックや小説にもなった。 原作:東堂いづみ、シリーズディレクター:五十嵐卓哉(第1-4期)、佐藤順一(第1期)、山内重保(第2期)/シリーズ構成:山田隆司/出演:千葉千恵巳、秋谷智子、松岡由貴、宍戸留美、宮原永海、石毛佐和、大谷育江、永澤菜教 ほか
【6】『ONE PIECE』
東映アニメーションが製作し、1999年より放送中のTVアニメ。 原作は週刊少年ジャンプにて1997年より連載中の、尾田栄一郎による同名マンガ。劇場版も製作されており、2022年公開の『ONE PIECE FILM RED』は、興行収入150億円を超える大ヒットとなった。
【7】『夢のクレヨン王国』
東映動画(現・東映アニメーション)が製作し、1997年から1999年まで全70話が放送されたTVアニメ。原作は福永令三による児童文学『クレヨン王国』シリーズ。クレヨン王国によみがえった死神を倒すため、お供と共に旅に出たシルバー王女の活躍を描く。 原作:福永令三/シリーズディレクター:佐藤順一/シリーズ構成:山田隆司/出演:徳光由香、坂田おさむ、竹内順子、葛城七穂、乃村健次、山口健 ほか
【8】『ふたりはプリキュア』
東映アニメーションが製作し、2004年から2005年まで全49話が放送されたTVアニメ。今も続く『プリキュア』シリーズの第1作目。悪の勢力・ドツクゾーンに立ち向かう、伝説の戦士・プリキュア「キュアブラック」と「キュアホワイト」の活躍を描く。 原作:東堂いづみ/シリーズディレクター:西尾大介/シリーズ構成:川崎良/出演:本名陽子、ゆかな、松谷彼哉、関智一、矢島晶子、池澤春菜、小野健一 ほか
【9】稲上晃(いながみ あきら)さん
アニメーター、キャラクターデザイナー。1986年に東映動画(現・東映アニメーション)に第2期研修生として入社。1987年公開の劇場作品『聖闘士星矢 邪神エリス』で初めて原画を担当。1990年に発売されたOVA『峠についた赤い郵便受け』で、自身初となるキャラクターデザインを務めた。TVアニメ『ドラゴンボールZ』などの作品で主力アニメーターとして活躍。その後、『夢のクレヨン王国』や『ふたりはプリキュア』3部作、『ねぎぼうずのあさたろう』ではキャラクターデザインを手掛ける。『おジャ魔女どれみ』シリーズ、『明日のナージャ』、『プリキュア』シリーズでは作画監督として参加している。2016年には「稲上晃 東映アニメーションワークス」を発売。2025年には東映アニメーションミュージアム内特設会場にて「稲上晃原展」が開催された。
【10】『ゲゲゲの鬼太郎』第6期
東映アニメーションが製作し、2018年から2020年まで全97話が放送されたTVアニメ。水木しげるによる同名漫画を原作とするTVアニメシリーズの6作目。幽霊族の末裔・鬼太郎が、仲間たちと共に難敵や陰謀に立ち向かう姿を描く。 原作:水木しげる/シリーズディレクター:小川孝治/シリーズ構成:大野木寛/出演:沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ ほか
【11】『ONE PIECE STAMPEDE』
東映アニメーションが製作し、2019年に公開されたTVアニメ『ONE PIECE』の劇場版第14作。新世界の「デルタ島」で開催される「海賊万博」の一大イベント「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」をめぐる陰謀に立ち向かう、ルフィたち麦わらの一味の活躍を描く。 原作・監修:尾田栄一郎/監督:大塚隆史/脚本:冨岡淳広、大塚隆史/出演:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、磯部勉、ユースケ・サンタマリア、指原莉乃、山里亮太 ほか
【12】『ワールドトリガー』2nd・3rdシーズン
東映アニメーションが製作し、2021年から2022年まで計26話が放送されたTVアニメ。原作は葦原大介による同名漫画。異世界からの侵略者・近界民(ネイバー)と防衛組織・ボーダーの戦いを描く。 原作:葦原大介/シリーズディレクター:畑野森生/シリーズ構成:吉野弘幸/出演:村中知、梶裕貴、田村奈央、中村悠一、田中秀幸 ほか
【13】『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
水木しげる生誕100年記念作品として東映アニメーションが製作し、2023年11月に公開されたアニメーション映画。原作は水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』。TVシリーズ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期がベースとなっている。昭和31年の哭倉村を舞台に、鬼太郎の父(ゲゲ郎)と血液銀行の調査員・水木が、村を支配する龍賀一族にまつわる謎に迫る。 原作:水木しげる/監督:古賀豪/脚本:吉野弘幸/出演:関俊彦、木内秀信、種﨑敦美、小林由美子、古川登志夫、沢城みゆき、庄司宇芽香、野沢雅子 ほか
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