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ねりま映像人インタビュー

第32回 新谷真弓さん 後編

第32回 新谷真弓さん 後編

2024.11.15

こちらのコンテンツは、是非音声版でお楽しみください

練馬にゆかりの映像人の皆様にお話を伺い、練馬と映像文化の関わりを紹介する「ねりま映像人インタビュー」のダイジェストテキストです。 音声版は更に内容が充実しています。是非お聴きください。 ゲストは前回に引き続き、俳優・声優の新谷真弓さん。 今回は、アニメーション映画『この世界の片隅に』を中心に、練馬区の思い出なども伺います。

—— 新谷さんには、2018年と2019年の「練馬アニメカーニバル」や、「アニメ文化トークサロン」にご参加いただいています。また、『Go!プリンセスプリキュア』【1】が大泉の東映アニメーション【2】の制作、『SSSS.GRIDMAN』【3】に登場する都立ツツジ台高等学校のデザインが、練馬区上石神井の都立井草高校をモデルとしており、間接的にも練馬区にはご縁があると思います。そんなことも含め、練馬区の思い出などをお聞かせください。

新谷:練馬区といえば、山本さん【4】ですね(笑)。山本さんと出会った、『ポストペットモモ便』【5】という楽しいアニメを作ったあと、『この世界の片隅に』【6】でまた山本さんと再会して、練馬区のイベントにも呼んでいただく機会を何度もいただきました。
先ほど紹介していただいた『Go!プリンセスプリキュア』は、アフレコも大泉のスタジオ(東映東京撮影所のデジタルセンター)で録っていました。
『魔女見習いをさがして』【7】という映画も、そのスタジオで録りました。いろんな年齢の女の子たちが『おジャ魔女どれみ』【8】の思い出を胸に、いろんな人生とかお仕事とかを頑張るという作品で、主人公の1人で尾道出身の子が働く広島のお好み焼き屋さんの女将の役をやりました。そのときは役として出演していた宍戸留美ちゃん【9】が尾道の人で、広島弁の指導もつけてらっしゃったんですけど、私も思い入れのある作品です。
それから、仕事を始める前の練馬区の思い出が、江古田にあります。
私がまだ劇団に入るか入らないかという18、9のときに、やはり演劇をやりたくて東京に出てきたお友達が江古田に住んでいて、江古田にある加藤健一事務所【10】の養成所に入っていたんです。それでその子の家に泊まらせてもらって、一緒にお芝居や映画、サブカルのイベントに行ったりとか、東京でそういうものに触れる拠点だったんです。 その後、彼女は(演劇を)やめちゃったのですが、『この世界の片隅に』のアフレコがあった頃に、私が加藤健一事務所さんに客演させていただくことになって、西武池袋線沿線の練馬区の稽古場に通いました。
あれから30年近い時を経て、彼女はいなくなったけど、私はこうして加藤健一さんのところで芝居しているんだなと、ちょっと感慨深かったり、「そうやって人生繋がっているんだな」と思いましたね。

—— 2016年に公開され大ヒットした映画『この世界の片隅に』は、練馬区江古田にある日本大学芸術学部【11】出身で、現在は同校の特任教授でもある片渕須直監督【12】の作品でもあります。新谷さんは主人公・すずが嫁いだ周作の母・北條サン役を演じたほか、広島弁のサポートもされていますが、元々原作が好きだったそうですね。

新谷:当時のマネージャーがいろんなことに詳しい人で、「新谷さんは広島だし、読んだ方がいいですよ」と、こうの史代先生【13】の漫画を教えてもらったんです。読んだらもうすごく面白いし、その頃には片渕監督とアニメ様【14】がイベントをやっていらして、そのイベントにも何度か行っていたんです。そのイベントに、私が大尊敬している漫画家の永野のりこ先生【15】もいらしていて、イベントが終わった後に「新谷さん、広島出身だし、片渕監督に紹介するから、何かやった方がいいわよ!」みたいな感じで、片渕監督にプレゼンしていただいたんです。それで片渕監督も「じゃあ何かあったら助けていただこうかな。ご連絡します」と言っていただいて。その後、クラウドファンディングにもファンとして参加してしばらくした頃、監督から「あのときのお話なんですけど、もしよかったら広島弁のガイド音声を録ってもらえませんか?」という話をいただきました。

—— サン役としての出演よりも、最初にガイドの収録が決まったんですね。ガイドを録るにあたって、難しいことはありましたか?

新谷:基本的には広島弁のイントネーションと言い回しとかニュアンスがわかるようにということで、全ての役、全てのセリフを読んだんです。しかもカット前の台本なので、辞書みたいに分厚い。それが2冊あって、どれだけの長さの映画になるんだ?(笑)と。
全部の役をストーリーの流れに合わせて順番通りに読んでいくのですが、まず最初に、どのぐらいお芝居をするか、演じ分けをするのか。みたいなところを、片渕監督と話しました。
どういうシーンなのかわかりやすく、かつその人のキャラクターとか、お話の流れもわかる。というふうに録ったんです。だから、声優の演技としては相当フラットに収録しました。
余談なんですけど、今年の夏にミュージカル版の『この世界の片隅に』【16】の方言指導もやったんです。
そのときもセリフのガイドを全部私が録ったのですが、そのときは演出家さんから「ガイドの時点で演技をして欲しい」ということだったので、朗読劇のような感じでした。
映画版が落語的な感じだとすると、ミュージカル版は全部の役を、声色も変えて演技するという1人芝居で(笑)。そちらの方が結構大変でした。

—— 周作さんのお母さんでキャスティングをされましたが、嫁ぎ先の落ち着いた年配のお母様という役は、意外だったのではないですか?

新谷:最近はお母さん役も増えてきましたけど、そのときは実写も含めてほぼやったことがなかったので(笑)。でも、ガイド収録のときにいらしていた呉と広島の現地の方たちが、サンさんや小林のおばさん【17】のセリフを読んでいるときとかに、「これはほんまに広島のおばさんじゃのう」みたいな反応で評判が良かったんです。それを片渕監督は割と重要視されていたみたいですね。

—— 主人公・すず役の のんさん【18】は、いかがでしたか?

新谷:当時は、演技されるのも久しぶりだったようですが、やはりセンスと集中力、飲み込みの早さ、あとは耳の良さがずば抜けていましたね。
方言のお芝居は、イントネーションとお芝居でやりたいことをマッチングさせていくっていう作業が、普段の演技にプラスされるのですが、ちゃんと聞けてない人は同じ間違いを何回もしちゃう。自分でそれが癖になっていることに気づけなくて言いやすい方になったり、イントネーションを気にしすぎて演技ができなくなっちゃうことがあるのですが、のんちゃんはそこがほぼなくて。そういう役者さんは、あの現場ではのんちゃんだけでしたね。
元々私はガイド収録だけの依頼で、運よくサンさんの役をいただいたので、アフレコには行くことになりましたけど、現場での方言指導は頼まれていなかったんです。ただ実際にガイドを録った人が現場にいるわけで、皆さん「新谷さん、今のところどう?」みたいに聞きに来られるんですよ。
それで、「これはもう、私が毎回アフレコに来て、アドバイスできた方が絶対いいですよね」と、監督に直談判したら快諾してもらって。のんちゃんのボイステストにも行くことになったんです。
そのボイステストのときに、のんちゃんが最初苦戦されていて、そのときに監督が「新谷さん、ちょっと入って試しにやってみてあげてくれる?」と言ってくださって。
それでブースに入って、「ガイドを録った者ですが、ちょっとやってみますわ」という感じでやったら、のんちゃんも「なるほど、そうやればいいんですね!わかりました」と、すぐできるようになって。やっぱり耳がいいんですね。のんちゃん側も「新谷さんがアフレコに居てほしい」みたいに言ってくださったので、できる限りのんちゃんのアフレコにご一緒しました。

—— 映画そのものもアナザーバージョンという形で、2019年に 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』【19】という作品が公開されました。前から3年経っていましたが、のんさんの様子で覚えていることはありますか?

新谷:3年経って、のんちゃん側からの提案とかアプローチがすごく増えていて。教えるというよりも、コンビネーションでした。相談の内容も、「こういうふうに演技してみたいんだけど、それに合う広島弁ありますか?」とか、「このイントネーションのときの気持ちの込め方って、これで合ってますか?」とか、ものすごく細かい、よりマッチングを厳密にしたい。というお気持ちがあって、それをコンビネーションとしてできました。アフレコが全部終わったときに、のんちゃん側からも「ナイスコンビネーションでしたよね、今回は!」みたいな感じで言っていただいて、それは実感としてもありましたね。

—— 最初の『この世界の片隅に』の完成作品をご覧になって、どんな感想、手応えを感じられましたか?

新谷:やはり広島弁のお芝居を、その当時の空気感とともに隅々に至るまで再現できて、広島弁の作品としてこの完成度のものは多分他にないんじゃないかな。という手応えがあって、良い仕事をやれたな!と思いましたね。
片渕監督が、ものすごく調べて、ものすごく緻密に準備をされて、積み上げられていったものの一つのピースとして、その当時の広島弁というものがおろそかになったら台無しだなと思っていたので。片渕監督のストイックさとか、緻密さリアルを追求する一端を担えたのは、とても嬉しかったですね。

—— 公開後、口コミで話題が広がり大ヒット。国内外の映画賞を多数受賞するなど、観客にもプロにも評価されるというムーブメントになりました、このような反響をどのようにご覧になりましたか?

新谷:片渕監督作品のファンの方たちのすごく強い熱意に助けられて、形になった作品です。本当にファンの皆さんのお気持ち、お力をものすごく感じて、それにお応えできたのは、私もいちファンとして誇らしかったし、本当に嬉しかったです。

—— 『この世界の片隅に』そして『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、新谷さんにとってどんな存在になりましたか?

新谷:私が演者としてだけじゃなくて、作り手側に回ることができた初めての作品なので、ターニングポイントでもありますね。
スタッフとして関わる喜びと、それこそ 『ハケンアニメ!』【20】じゃないですけど、自分が惚れ込んでいる片渕監督であるとか、のんちゃんというクリエイターを支えることができるというかけがえのない体験というか。それは私にしかできない!という喜びは、すごくありました。
こだわりのある監督がそれを全部受け入れてくれて、信用してくれて、やらせてくれたのが、今思うとすごく幸せな時間でしたね。

—— これから先、やりたいことや野望みたいなものがあれば、ぜひお聞かせ下さい。

新谷:広島弁の作品があったらぜひお声がけいただきたいですね。今のところ『この世界の片隅に』に関して映画と舞台に関わらせていただいて、お芝居の役者さん目線でも、スタッフさん目線でも、かなり広島弁としては満足のいくものを作れていると思います。
あとは、それに関わってくるのですが、日本って演技のマッチングとかコーチングというお仕事が、そんなに普及してなくって。でも私はそれが得意なんだな。というのが結構最近わかってきました。
『この世界の片隅に』のおかげでもありますが、演技の現場でも若い子にそういうことを言われたり、舞台の現場でもそういうことがあったり、自分で演出もやるようになって、そういうことをすごく思うようになりました。
あとはマッチングですね。方言とか、やらなきゃいけないことと、演技をどう近づけるか。演者がやりたいこともわかるし、やらなきゃいけないノルマというかテーマもあって。そういうことをどう近づけてマッチングさせていくか。マッチング、コーチングという事に関して、何かやれたらいいなと思います。

—— 最後に一言、ご挨拶いただけますでしょうか?

新谷:ご清聴いただきましてありがとうございます。自分でも言っていますけど、ほんとにスキマ産業な感じで、コウモリ野郎で、もう何年も何十年と演技をやらせていただいています。なかなか他の人は経験できないこととか、他の人がやらないようなお芝居とか、役割をやらせていただいていると思いますので、「こういう仕事もあるんだ」とか、「普段、こんなふうなことを考えているんだな」というのが、ちょっとでも楽しんでいただければ幸いです。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています。ありがとうございました。

本テキストは音声版のダイジェストです。
是非音声版でお楽しみください。

プロフィール

新谷真弓(しんたに まゆみ)
俳優・声優。舞台での活躍を中心に、俳優として実写映画『キューティーハニー』、東映東京撮影所作品『ハケンアニメ!』などに出演。声優としてはTVアニメ『キルラキル』、『出会って5秒でバトル』や、劇場アニメーション映画『プロメア』『この世界の片隅に』『SSSS.GRIDMAN』などに出演。『この世界の片隅に』では広島弁監修を務めるなど、多岐にわたる活躍をみせる。

ダイジェストテキストに登場する作品名・人物名等の解説

【1】『Go!プリンセスプリキュア』
東映アニメーションが制作し、2015~16年に全50話が放送されたTVアニメ。闇の勢力・ディスダークに立ち向かう、プリンセスプリキュアたちの活躍を描く。新谷さんは、シャムネコのような妖精「ミス・シャムール」を演じた。 シリーズディレクター:田中裕太/シリーズ構成:田中仁/出演:嶋村侑、浅野真澄、山村響、沢城みゆき、東山奈央、古城門志帆、新谷真弓 ほか
【2】東映アニメーション
1956年に「東映動画株式会社」として設立された、60年の歴史を持つアニメーション制作会社。1957年より東大泉を製作拠点としている。1958年の日本初の長編カラーアニメ映画『白蛇伝』を皮切りに、数々の名作アニメを製作。79年には映画『銀河鉄道999』が大ヒットし、爆発的なアニメブームを引き起こした。1998年には「東映アニメーション株式会社」に社名変更。現在も『ドラゴンボール』シリーズ、『セーラームーン』シリーズ、『ONE PIECE』、『プリキュア』シリーズなど、世代を超える人気コンテンツを生み出し続けている。
【3】『SSSS.GRIDMAN』
2018年に全12話が放送されたTVアニメ。特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』(93-94/円谷プロ制作)を原作に、TRIGGERがアニメーション制作を担当した。東京都ネリマ市ツツジ台に現れた怪獣から街を守るべく、ハイパーワールドからやって来たグリッドマンと、彼をサポートする「グリッドマン同盟」の少年少女たちの活躍を描く。新谷さんは、ヒロイン・宝田六花の母で「グリッドマン同盟」の拠点となるJUNKSHOP絢の経営者「六花ママ」を演じた。
原作:『電光超人グリッドマン』/監督:雨宮哲/脚本:長谷川圭一/出演:広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓 ほか
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内「練馬アニメカーニバル2019レポート」では、トークイベント「『SSSS.GRIDMAN』アニメと特撮の邂逅」を紹介しています
【4】山本さん
本インタビューの聞き手・山本和宏のこと。映画・アニメ宣伝業・ライター。新谷さんが出演した『ポストペットモモ便』(04)ではシリーズ構成・脚本を担当。また『この世界の片隅に』(16)では制作宣伝を担当。練馬区主催の「練馬アニメカーニバル」(2013-2015、2017-2019)では受託事業者として運営を担当した。
【5】『ポストペットモモ便』
2004~05年にTBS系情報番組『ブリンぶりん家』及び『フューチャービーンズ〜みらい豆』内で放送されたショートアニメ。1997年から展開する「愛玩電子メールソフトPostPet」をモチーフにしており、主人公・モモと全男性キャラクター及びナレーションを森久保祥太郎さんが、コモモと全女性キャラクターを新谷真弓さんが担当した。
【6】『この世界の片隅に』
2016年に公開され大きな話題を呼んだ、片渕須直監督によるアニメーション映画。戦時中の広島・呉を舞台に、主人公・すずが送る日々を丁寧に描く。国内外で高く評価されており、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位をはじめ、国内外で数々の映画賞を受賞。
新谷さんはすずの姑・サン役で出演のほか、広島弁監修も務めた。原作は、こうの史代氏の同名マンガ。
原作:こうの史代/監督・脚本:片渕須直/出演:のん、細谷佳正、小野大輔、岩井七世、尾身美詞、稲葉菜月、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓 ほか
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内の「アニメニュース」特集記事「アニメ映画『この世界の片隅に』制作支援メンバー募集に大反響! 片渕須直監督 特別インタビュー!」や、「練馬区アニメイベント」内の「練馬アニメカーニバル2015」「練馬アニメカーニバル2017」「練馬アニメカーニバル2018」「練馬アニメカーニバル2019」では、『この世界の片隅に』及び『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を紹介しています
【7】『魔女見習いをさがして』
2020年に公開されたアニメーション映画。『おジャ魔女どれみ』シリーズの20周年記念として東映アニメーションにより制作された。子供の頃に『おジャ魔女どれみ』シリーズを見ていた女性3人が、聖地巡礼の旅を通してそれぞれの夢に向き合う姿を描く。第75回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞。
新谷さんは、主人公の1人・川谷レイカが働くお好み焼き屋の女将を演じた。
監督:佐藤順一、鎌谷悠/脚本:栗山緑/出演:森川葵、松井玲奈、百田夏菜子、三浦翔平、石田彰
【8】『おジャ魔女どれみ』
東映アニメーションが制作した、オリジナル魔法少女アニメシリーズ。TVシリーズとして1999~2000年の『おジャ魔女どれみ』から、『おジャ魔女どれみ♯』(00-01)『も〜っと!おジャ魔女どれみ』(01-02)『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』(02-03)まで全4期が放送された。劇場版も製作されたほか、コミックや小説にもなった。
原作:東堂いづみ、シリーズディレクター:五十嵐卓哉(第1-4期)、佐藤順一(第1期)、山内重保(第2期)/シリーズ構成:山田隆司/出演:千葉千恵巳、秋谷智子、松岡由貴、宍戸留美、宮原永海、石毛佐和、大谷育江、永澤菜教 ほか
【9】宍戸留美(ししど るみ)さん
歌手・俳優・声優。1989年に「ロッテ CMアイドルはキミだ!」の4代目グランプリを受賞、翌1990年に同社CMへの出演と、シングル『コズミック★ランデブー』で歌手デビューを果たす。1992年にOVA『KO世紀ビースト三獣士』で声優デビュー。1999年にスタートした『おジャ魔女どれみ』では魔女見習いの1人・瀬川おんぷを演じ、声優としても人気を博す。『魔女見習いをさがして』では、おんぷのほかにお好み焼き屋の客としても出演したほか、尾道弁のガイドや指導も行っている。
【10】加藤健一事務所
俳優・加藤健一氏が主宰する演劇製作事務所。1980年に一人芝居『審判』を上演するために立ち上げられた。以降、年に3,4本のペースで様々な作品を上演し続けている。1986年には加藤健一事務所俳優教室を開設し、若手俳優の養成も行っていた。1991年には練馬区江古田にスタジオを開設。「スタジオK」として、演劇の稽古、ダンスレッスンなどに向けたレンタルも行っている。
【11】日本大学芸術学部
日本大学芸術学部 略称・日藝。練馬区江古田にキャンパスがある。写真、映画、美術、音楽、文芸、演劇、放送、デザインの8学科があり、映画や放送、芸能、写真、マスコミなど、数多くの人材を輩出している。
1989年から2019年まで埼玉県所沢市に所沢キャンパスがあったが、現在は全学年が江古田キャンパスにて修学している。
【12】片渕須直(かたぶち すなお)さん
アニメーション映画監督。日本大学芸術学部映画学科在学中から、宮崎駿監督によるTVアニメ『名探偵ホームズ』(84)の脚本に参加。映画『魔女の宅急便』(89)では演出補を務めた。TVアニメ『名犬ラッシー』(96)で監督デビュー。その後、長編映画『アリーテ姫』(01)を監督する。2009年に公開された映画『マイマイ新子と千年の魔法』は口コミで評判が広がり、異例のロングラン上映とアンコール上映を達成。2016年公開の映画『この世界の片隅に』では、第40回日本アカデミー賞において最優秀アニメーション作品賞を受賞した。2019年12月には『この世界の片隅に』に、250カット(約38分)に及ぶ新エピソードを追加し、〈新たな映画〉として生まれ変わった『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開された。現在は映画『つるばみ色のなぎ子たち』を制作中。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内の「練馬ほっとキャスト」第3回第4回と、「練馬にいた!アニメの巨人たち」第1回第2回第3回第4回では、片渕須直監督をとりあげています。
また、「アニメニュース」特集記事「アニメ映画『この世界の片隅に』制作支援メンバー募集に大反響! 片渕須直監督 特別インタビュー!」や、「練馬区アニメイベント」内の「練馬アニメカーニバル2015」「練馬アニメカーニバル2017」「練馬アニメカーニバル2018」「練馬アニメカーニバル2019」では、『この世界の片隅に』及び『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を紹介しています
【13】こうの史代(こうの ふみよ)さん
広島県出身のマンガ家、イラストレーター。『この世界の片隅に』の原作者。1995年「街角花だより」でデビュー。2004年に発表した「夕凪の街 桜の国」で第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞と第9 回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。「この世界の片隅に」(07~09)では、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。その他の主な作品に「長い道」、「ぴっぴら帳」、「こっこさん」、「さんさん録」、「ぼおるぺん古事記」、「日の鳥」、「空色心経」などがある。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」では、こうの史代が登壇した「練馬アニメカーニバル2015」の「『この世界の片隅に』公開まであと1年!記念トークイベント」の模様をレポートしています
【14】アニメ様
アニメの雑誌編集、企画、脚本などに携わる、小黒祐一郎(おぐろ ゆういちろう)氏の通称。アニメスタイル編集長、スタジオ雄代表取締役社長を務めている。トークイベント「ここまで調べた『この世界の片隅に』」や、「ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』」などでは、片渕須直監督の聞き手を務めている。
【15】永野のりこ(ながの のりこ)さん
漫画家。1985年に「Sci-Fiもーしょん!」でデビュー。「みすて♡ないでデイジー」(86-89)や「GOD SAVE THE すげこまくん!」(93-98)で人気を博し、ドラマCD(両作)やTVアニメ(「みすて♡ないでデイジー」)も制作された。その他の作品に「まじょっ子ソンソン」(88~連載中)「ちいさなのんちゃん」(95-98)「電波オデッセイ」(95-99)など。日本漫画家協会常務理事も務めている。
【16】ミュージカル版『この世界の片隅に』
2024年5~7月に公演されたミュージカル。すず、周作、リンはWキャストとなっており、それぞれ昆夏美/大原櫻子、海宝直人/村井良大、平野綾/桜井玲香が演じた。また、音楽をアンジェラ・アキが務めたことも話題となった。
【17】小林のおばさん
『この世界の片隅に』の登場人物。周作の父・円太郎の姉で、夫妻ですずと周作の仲人を務めた。空襲で焼け出された後は、北條家に同居する。
【18】のん さん
俳優・アーティスト。2006年に本名の「能年玲奈」でファッションモデルとしてデビュー。2013年に初主演となるTVドラマ『あまちゃん』でヒロイン・天野アキを演じ、注目を集める。翌2014年には主演映画『ホットロード』で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2016年からは「のん」として活動を開始。同年公開のアニメーション映画『この世界の片隅に』の主人公・すずでアニメ初主演。第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞、第31回高崎映画祭ホリゾント賞、2016年度全国映連賞女優賞などを受賞。このことが大きな話題となり、活躍の場をひろげてゆく。2022年2月公開の映画『Ribbon』では脚本・監督・主演を務め、同年9月公開の主演映画『さかなのこ』では第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、第32回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞を受賞。2024年には第16回 伊丹十三賞を受賞している。
【19】『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
2019年12月に公開されたアニメーション映画。『この世界の片隅に』に、250カット(約38分)に及ぶ新エピソードを追加し、〈新たな映画〉として制作された。
※当サイトのアニメーションコンテンツ「練馬アニメーションサイト」内の練馬区アニメイベントでは、練馬アニメカーニバルで実施した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』関連イベントをレポートしています。
練馬アニメカーニバル2018『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開前トーク
練馬アニメカーニバル2019『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開1ヶ月前トーク
【20】『ハケンアニメ!』
2022年に公開された映画。原作は辻村深月の同名小説。土曜夕方5時台の同じ時間帯に放送されることになった2本の連続TVアニメ。それぞれの作品を担当する監督とプロデューサーの4人が、スタッフや関係者たちと共にライバル作品との熱いハケン=覇権争いに挑む姿を描く。第46回日本アカデミー賞や第44回ヨコハマ映画祭をはじめ、多数の映画賞を受賞している。
新谷さんは、劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』の編集・白井を演じた。
原作:辻村深月/監督:吉野耕平/脚本:政池洋佑/出演:吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子、新谷真弓、朴璐美(ナレーション)ほか
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