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第45回 練馬まつり上映会「鉄道員(ぽっぽや)」レポート

2022.11.16

第45回 練馬まつり上映会「鉄道員(ぽっぽや)」

練馬まつりの特別企画として、東映の名作映画「鉄道員(ぽっぽや)」の上映会が、令和4年10月16日(日)に練馬文化センター大ホールで開催されました。当日の様子を紹介していきます!

最初のプログラムは、映画「鉄道員(ぽっぽや)」【1】本編の上映です。
日本アカデミー賞を総なめにした本作は、日本を代表する名優・高倉健さん【2】が19年ぶりに東映映画への出演を果たした作品でもあります。

東映の最新作の予告が流れ、期待が高まったところでいよいよ本編がスタート。
今回の上映は、デジタルリマスター版の映像美を存分に堪能してもらうために、最高水準の明るさを誇るプロジェクターで映写し、舞台上に黒い布を敷き詰めてスクリーンに光が写り込まないようにするなど工夫がなされていました。大スクリーンに映し出された北海道の雪景色の美しさは圧巻で、高倉健さんの哀愁の漂う演技にも存分に浸ることができました。

東映東京撮影所 木次谷所長

休憩を挟んで、次はトークショーのコーナー。
まずは、今回上映にあたりご厚意をいただいた東映東京撮影所 木次谷良助所長【3】のご挨拶です。
地元・練馬区民への感謝、映画を映画館で見ることの醍醐味、この後登場する木村大作さん【4】との馴れ初めなどをお話してくださいました。

キャメラマンの木村大作さん

そして、いよいよキャメラマンの木村大作さんの登場です。
最初のトークは、映画に登場する駅舎のロケハンの時のエピソード。北海道に単身訪れたは良いものの、タイミングが合わずレンタカーが全て出払っていたため、なんとお一人でトラックを借りて北海道中を巡ったそうです。
この他にも木村さんの武勇伝や、降旗康男監督【5】や高倉健さんをはじめとする出演者とのエピソードが次々と披露されました。長年にわたり映画界の最前線で活躍し続けてきた木村さんだからこその裏話をたくさん聞くことができました。
久しぶりの講演のお仕事だったという木村さんですが、トークは予定時間をオーバーするほど熱を帯び、会場からは終始驚きや笑い声が絶えないステージになりました。

お楽しみ抽選会

トークの余韻を残したまま、プログラムは最後のお楽しみ抽選会へと移ります。
景品は、東映東京撮影所のご厚意でいただいた、「鉄道員(ぽっぽや)」撮影20周年の記念切符と東映マーク入りの付箋のセットです。壇上でスタッフがクジを引いて当選者を読み上げるたびに、会場からは温かい拍手が起こり、盛り上がりの中でイベントは終了しました。

登場する作品名・人物名等の解説

【1】鉄道員(ぽっぽや)
直木賞を受賞した浅田次郎の短編小説を映画化。高倉健が不器用なまでにまっすぐに、鉄道員一筋の人生を送ってきた男を演じ、代表作の一つとした。共演に、大竹しのぶや、広末涼子、小林稔待、志村けんら各世代を代表する顔ぶれが揃う。高倉と共に「駅STATION「ほかの作品で数々のヒット作を世に送り出した監督の降旗康夫や撮影の木村大作らスタッフが、北海道の厳しい自然を詩情豊かに映像化。
第23回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞をはじめ9部門を総なめにした感動作。
【2】高倉健
俳優。1955年、第2期ニューフェイスとして東映に入社。
『網走番外地』シリーズ、『昭和残侠伝』シリーズ、『八甲田山』『南極物語』などに出演。日本映画史に残る名優。2013年文化勲章を受章。
【3】木次谷良助
東映東京撮影所長。1966年生まれ。フリーの制作助手として映画に携わる。最初に参加した映画は、1987年降旗康男監督作の「別れぬ理由」。2005年に社員として東映に入社、2012年に所長に就任。
【4】木村大作
監督・キャメラマン。1939年生まれ。1958年東宝撮影部に撮影助手として映画界入り。代表作は「鉄道員」「八甲田山」などがある。2009年、初監督作品「劔岳 点の記」で日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀撮影賞受賞。2003年紫綬褒章、2010年旭日小綬章受章。2020年撮影分野で初の文化功労者に選出。
【5】降旗康男
映画監督。1934年生まれ。1957年に東映東京撮影所に入社。「新網走番外地」シリーズや「現代やくざ 与太者仁義」など東映の任侠映画路線の一翼を担う。「鉄道員」で日本アカデミー賞最優秀監督賞・最優秀脚本賞を受賞。2002年に紫綬褒章、2008年に旭日小綬章を受章。
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