映像∞文化のまち ねりま

イベント

「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」レポート

2024.11.13

【弘兼憲史×三田紀房】「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」トークイベントの 様子を公開

漫画家になったきっかけや、名作の誕生秘話などについて語っていただきました。 他ではなかなか聞けない豪華トークをぜひご覧ください。

【レポート記事】~区ゆかりの漫画家によるトークを実施~
「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」を開催

イベント全体概要

展示風景

8月3日(土)から8月9日(金)にかけて練馬区の大泉学園ゆめりあホールおよびギャラリーにて「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」が開催された。初開催の前年は2日間の開催だったが、前年の好評を受け、今年から開催期間が延長されることに。イベント内容はトークショー、練馬区にゆかりある漫画家の原画の展示、ワークショップ、似顔絵コーナーと盛りだくさんで、夏休み中の親子連れをはじめ大勢の観客が訪れ、にぎわいを見せた。

トークイベント:弘兼憲史先生×三田紀房先生(3日)

  • 三田紀房先生、弘兼憲史先生
  • ワークショップ

弘兼憲史先生

—— 漫画家として活動することになったきっかけを教えてください。

弘兼:子どもの頃からずっと漫画を描いていましたが、漫画家という職業は、なりたいからといってなれるものではありません。弁護士や医者は勉強をして資格を取ればなれますが、雑誌に掲載されている漫画の数と志望者を考えれば、とてつもない倍率です。中学生の頃には漫画家になることはもう諦めていました。ただ、早稲田大学に進学後も絵を描くことは好きだったので、この技術を活かせたらいいなと思い、企業の宣伝部を志望するようになりました。そうして松下電器(現在のパナソニック)に入社して宣伝の仕事をやっていました。結局、松下電器には3年いたんですけど、外部のデザイナーさんたちに指示を出すよりも、自分は現場で描くほうが向いていると感じるようになり、漫画を描こうと思って会社を辞めました。それまでコマを割って漫画を描いたこともなかったのに、かなり無謀な選択でしたね。それでも「ビッグコミック」(小学館)の賞に4回応募し、そのうち3回入選しました。3回目の入選時は、同期にわたせせいぞう【1】(代表作『ハートカクテル』など)さんや、谷口ジロー【2】(代表作『孤独のグルメ(原作:久住昌之)』など)さんなどがいたので印象深く覚えています。そうして27歳のときに漫画家としてデビューしました。

三田紀房先生

三田:僕は大学卒業後に西武百貨店に新卒で就職し、西武池袋本店の紳士服売り場で働いていたところ、父が病に倒れたので、岩手に帰郷して実家の洋品店を継ぐことになりました。ただ、地方の商店街の路面店というのは、みるみるうちに業績が落ちていった時代です。商売が苦しかったので、ちょっと逃げ込む先が欲しかったんですよね。それで漫画を描き始めました。もともとは僕の親族が村上もとか先生と御縁があり、村上先生が『六三四の剣』【3】を始めるにあたって「誰か剣道に詳しい人はいないか」と探していたときに、ちょうど学生時代に剣道に打ち込んでいる僕が紹介され、それを機にプライベートでもお付き合いするようになっていたんです。お仕事場も拝見させてもらっていたので、家業をやりながらでも漫画なら描けるかな、と思ったんですよ。そうして漫画を描くようになり、岩手でお店をやりながら月刊連載をやるという無茶なことをやりました。昼間、お客さんが来たら接客して、お客さんが帰ると、カウンターの下から原稿を出してレジの横で連載漫画を描いていました。

弘兼:こういう動機で漫画家になる人は珍しいですよ。だいたいみんな漫画一筋ですからね。もっとも、僕も賞金目当てのところはあったから動機は不純なんですけどね(笑)。

三田紀房先生、弘兼憲史先生

—— 練馬区で活動されるようになった理由を教えてください。

三田:「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)の編集者に「短期集中連載をお願いしたいんですけど、東京に出てきませんか」と誘われたんです。そのときに村上先生に相談したら、魚戸おさむ先生【4】が住んでいた石神井のアパートが空くから、そこに入居したらどうかと提案されたんですよ。妻も賛同してくれたので、借りた2トントラックに家財道具を積んで上京しました。だから練馬区に住むようになったのは、村上先生のおかげですね。

弘兼:僕は松下電器時代は大阪でしたが、会社を辞めたあとは、板橋区の成増に住んでいました。おじが成増で耳鼻科の医院をやっていて、部屋が余っていたんですよ。そこにはお茶の水女子大の漫研の部長だった柴門ふみ【5】(代表作『東京ラブストーリー』など)が手伝いに来てくれていましたよ。そのあと柴門ふみとは結婚するわけですが、石神井に移ったのは妻の勧めです。つまり、妻の言いなりになって練馬区に来たという感じです(笑)。

弘兼憲史先生

—— おふたりには漫画家になる前に社会人経験があるという共通点があります。その経験は、漫画家としてどのように活きていますか。

弘兼:僕は松下電器の販売情報部でポスターやカタログ、チラシなどを作ったり、ショールームを運営したりしていました。それをそのまま漫画にしたのが『島耕作』シリーズ【6】ですから、あの3年間があったおかげで、40年間も連載を続けているわけですね(笑)。

三田:僕はあまり締め切りを遅れたことがないんですけど、それは「ちゃんと納品しなくちゃ」という気持ちになるからなんです。「お取引先様に迷惑かけちゃいけない!」みたいな(笑)。社会人経験があったおかげでビジネス感覚が養われ、事業として漫画を考えられるようになりました。

弘兼憲史先生

—— おふたりにとって思い出の作品をお教えください。

弘兼:「週刊ヤングマガジン」(講談社)の創刊から連載した『ハロー張りネズミ』【7】ですね。これは探偵ものなんですけども、自由な発想で描かせていただきました。ネタに詰まったときには番外編で宇宙編とか時代劇編とか、妖怪や生霊が出てきたりと、いろいろな話をやりました。SF漫画が好きだったから、そういう要素を織り込みながら描いたので、なかなか仕事のやりがいがありました。10年間やったけど、結構面白い仕事だったと思いますね。

三田紀房先生

三田『クロカン』【8】を「週刊漫画ゴラク」(日本文芸社)に連載している最中、初代担当が増刊号の編集長になり、原作付きの料理漫画の作画を依頼されました。隔週連載だったし、その担当に恩もあったので引き受けたのですが、正直に言えば、その料理漫画にはまったく力が入ってなかったんですよ。それは自分でも感じていました。すると、村上先生から「あの料理漫画からはどう考えてもやる気が感じられない。今すぐやめろ」と言われたんです。「君が言い出せないなら俺が言ってやる」と。そんな強い言い方をする方ではなかったので、びっくりして「わかりました」と即答し、次の日に編集部に電話して連載を辞めさせてもらいました。もしあのとき両方連載を続けていたら、どっちもダメになったと思います。結果的に『クロカン』に集中でき、それが評価されて「週刊ヤングマガジン」から「うちでも描きませんか」と誘っていただけたので、あのとき料理漫画を辞めたのが、自分にとってのターニングポイントになりました。

会場風景

—— 最後に会場の皆様にごあいさつをお願いします。

弘兼:僕はいつも同世代に向けて漫画を描いているので、大人の方にぜひ読んでいただきたいですね。そして日本の漫画は、ある意味では世界一と言えますから、今後も日本の漫画文化を世界に発信していきたいと思っています。

三田:練馬区には本当にたくさんの漫画家が住んでいて、漫画の聖地と言えます。この練馬の漫画文化を世界に発信し、練馬区のために何かお役に立てればと思っております。

原画展示+展示ガイド

展示風景

会期中の全日にわたり、ゆめりあホール7階のギャラリーでは漫画の原画や複製原画が展示された。原画の提供には、石川サブロウ【9】が代表を務めるプロ漫画家集団「株式会社ぽけまん」【10】が協力しており、練馬区立石神井公園ふるさと文化館【11】の館長を務める村上もとか(代表作『六三四の剣』『JIN −仁−』など)をはじめ、区ゆかりの漫画家総勢29名による合計60点もの原画および複製原画が展示された。

村上は『六三四の剣』と『SNOW』【12】を出展し、3日(土)のトークショーに登壇した弘兼憲史は『相談役 島耕作』【13】『社外取締役 島耕作』【14】、三田紀房は『ドラゴン桜』【15】と『Dr.Eggs ドクターエッグス』【16】を出展し、おおいに注目を集めた。

漫画原稿の原画は雑誌や単行本よりも一回りサイズが大きいので、刊行物よりもディテールに気づきやすく、また作家独特の筆致も確認できる。ギャラリーを訪れた来場者たちは原画の迫力に圧倒されながらも、足を止めて食い入るように鑑賞していた。

展示ガイド

また、原画展では展示ガイドも実施され、漫画家が参加者とともにギャラリーをめぐりながら、展示された作品の前で解説を行った。このイベントは、本年からの新しい試みである。ガイドを担当した漫画家は、3日(土)は魚戸おさむ(代表作『家栽の人』(原作:毛利甚八)など)、4日(日)はあおきてつお【17】(代表作『緋が走る』(原作:ジョー指月)など)、5日(月)はのむらしんぼ【18】(代表作『つるピカハゲ丸』など)、8日(木)は村上もとかの4名。

展示ガイド

初日の魚戸おさむは、本庄敬【19】『風に向かうライオン』【20】のカラー原画がじつはインスタントコーヒーを画材に彩色された逸話を同原画の前で披露し、自身が星野之宣【21】や村上もとかのアシスタントだった時代の話など貴重なエピソードを明かしていた。

展示ガイド

8日(木)村上もとかのガイドトークでは、トークイベントに登壇した弘兼憲史、三田紀房の両氏にまつわるエピソードをはじめ、自身と親交のある漫画家との話などを紹介。

竜崎遼児【22】の作品では、力を入れすぎてペンが折れたときに、飛び散ったインクを修正しないでそのまま原稿に使ったという逸話を披露した。

参加者から「どういう風に作風を身に着けつけていくのでしょうか?」と質問されると、「自分の好きな漫画を真似して描いてみる。あるいは掲載誌によっては、その作者の絵を追いかけたり。そうすると、これは違う、じゃあ他のものを取り入れて、ということをやっていって、自分のなかで探り探り描きました。いろいろな影響を受けながら描いていくと、だんだんと自分のものになっていくんです。」と秘訣を語った。

ワークショップ

ワークショップ

8月3日(土)にゆめりあホール7階ギャラリー奥にて「漫画家と一緒にキャラクターを描いてみよう!」と題して開催されたワークショップでは、講師の漫画家が参加者(事前申込制)に漫画風のキャラクターの描き方をレクチャーした。当日は3部制で、講師を務めたのは下條よしあき【23】(代表作『マイコン刑事』(原作:鷹見吾郎)など)、近藤たかし【24】(代表作『漫画版 論語と算盤』(原作:渋沢栄一)など)、のむらしんぼ、高見まこ【25】(代表作『いとしのエリー』など)の4名。参加者は配付された色紙に思い思いのキャラクターを描き、サインペンでペン入れをし、イラストマーカーを使って彩色するまでの一連の流れを体験した。

似顔絵

似顔絵

ワークショップと同じスペースでは、8月4日(日)に「似顔絵コーナー」が開催された。似顔絵イラストは、下條よしあき、のむらしんぼ、高見まこ、鈴木みつはる【26】(涼原ミハル名義で『コミック版『逆説の日本史』中世鳴動編』(原作・脚本:井沢元彦)連載中)の4名が担当。参加者ひとりずつと会話をしながら、本人の特徴を捉えた漫画風のイラストを次々と仕上げていき、参加者たちは大満足の様子だった。

登場する人物名等の解説

【1】わたせせいぞうさん
漫画家、イラストレーター。大学卒業後、保険会社に勤務しながら漫画家を目指す。1974年に読切『新漫画昆虫記』で第13回小学館ビッグコミック賞を受賞、漫画家デビューを果たす。1983年には『ハートカクテル』の連載をスタート。アニメやドラマ化もされる大ヒットとなり、代表作となった。そのほかの作品に、『私立探偵フィリップ』(86)、『菜』(92-98)、『ワンダーカクテル』(18~)、『なつのの京』(20~)など。
【2】谷口ジロー(たにぐち じろー)さん
漫画家。1970年、『声にならない鳥のうた』で商業誌デビュー。1975年の『遠い声』が第14回小学館ビッグコミック賞の佳作となる。以後、ハードボイルド、アクション、冒険、SF、動物、文芸、日常など、様々なジャンルの作品で活躍。海外でも高く評価されている。代表作に『「坊っちゃん」の時代』(原作:関川夏央/87-96)、『犬を飼う』(91)、『孤独のグルメ』(原作:久住昌之/94-96、08-15)、『遥かな町へ』(98)、『神々の山嶺』 (原作:夢枕獏/00-03)など。2017年2月、『光年の森』、『いざなうもの』(原作:内田百閒)を遺し逝去。 『孤独のグルメ』は2012年からTVドラマ化、『遥かな町へ』は2010年にフランスで映画化、『神々の山嶺』は2021年にフランスでアニメ化されるなど、映像化された作品も多い。
【3】『六三四の剣』
「週刊少年サンデー」にて1981〜85年まで連載された、村上もとか氏による剣道漫画。剣道一家に生まれた夏木六三四(むさし)が、父の死を乗り越え、剣道のライバルたちと切磋琢磨して成長していく姿が描かれる。TVアニメ化もされ、1985〜86年に全49話を放送。続編『六三四の剣 青春編』(86)全23話も放送された。本作に影響を受けて剣道をはじめる少年が全国で続出し、剣道ブームを巻き起こした。
【4】魚戸おさむ(うおと おさむ)さん
漫画家。星野之宣氏、村上もとか氏のアシスタントを経て、1985年に『忍者じゃじゃ丸くん』で商業誌デビュー。代表作に、これまでに4度ドラマ化された『家栽の人』(原作:毛利甚八/88-96)のほか、『イリヤッド-入矢堂見聞録-』(原作:東周斎雅楽/02-07)、『ひよっこ料理人』(12-15)、『はっぴーえんど』(監修:大津秀一/17-20)、『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』(原作:宮崎克/22-23)など。
【5】柴門ふみ(さいもん ふみ)さん
漫画家・エッセイスト。大学在学時から同人誌にて作品を発表、同時期に弘兼憲史氏のアシスタントを務めるようになる。1979年に『クモ男フンばる!』で商業誌デビュー。代表作の多くがTVドラマ化されている。なかでも柴門氏の代表作『東京ラブストーリー』(88-90)は91年にドラマ化され大ヒットした。また、エッセイストとしても活躍しており、1990年に発表された『恋愛論』は、70万部を超えるベストセラーとなっている。そのほかの代表作に、『P.S.元気です、俊平』(80-84)、『あすなろ白書』(92-93)、『華和家の四姉妹』(05-08)、『同窓生〜人は、三度、恋をする〜』(11-12)、『薔薇村へようこそ』(21-24)など。1980年に弘兼氏と結婚。
【6】『島耕作』シリーズ
1983年の『課長島耕作』からスタートし、現在も続く弘兼憲史氏の大ヒットサラリーマン漫画シリーズ。大手電器メーカー「初芝電器産業」に勤務する主人公・島耕作が、企業内部の派閥争いや経営展開、時には女性関係などを切り抜けながら昇進してゆく姿が描かれる。2008年に島耕作が社長に就任した際には、全国の新聞朝刊が社会面で取り上げるなど、社会現象にもなっている。また、その根強い人気から、スピンオフやコラボ作品も作られている。 1992年には映画化されたほか、1993~98年にはフジテレビ、2008年には日本テレビでTVドラマ化されている。
【7】『ハロー張りネズミ』
1980年から1989年まで連載された弘兼憲史氏の漫画。「あかつか探偵事務所」の探偵・七瀬五郎と仲間たちの活躍を描く。前述の『島耕作』シリーズには、本作のキャラクターがスターシステム的に登場している。これまでに実写映画やスペシャルドラマが作られ、2017年には連続TVドラマ版も放送された。
【8】『クロカン』
1996年から2002年まで連載された三田紀房氏の漫画。群馬県を舞台に、高校の野球部監督・黒木竜次(通称:クロカン)が、周囲とぶつかりながらも球児たちを甲子園へ導く姿を描く。
【9】石川サブロウ(いしかわ さぶろう)さん
漫画家。1974年に第7回手塚賞で佳作を受賞した『立ち読み厳禁』で商業誌デビュー。代表作に 『北の土龍』(81-85)『蒼き炎』(89-94)『ゆきのいろ』(01-03)『がばい-佐賀のがばいばあちゃん-』(原作:島田洋七/05-10)『神様のカルテ』(原作:夏川草介/10-11)『ゆいっこ』(14-18)などがある。現在は「株式会社ぽけまん」の代表も務めている。
【10】株式会社ぽけまん
代表を石川サブロウ氏が務め、プロの漫画家が集い運営している会社。「漫画の力を信じて様々なシーンで貢献していく」という理念の元、漫画関連イベントへの参加や企業とのタイアップ、復興事業への支援などを行っている。公式サイトでは、無料まんがの配信や高精細複製原画作成の協賛もしている。
公式サイト:https://pokeman.co.jp/
【11】練馬区立石神井公園ふるさと文化館
練馬区の歴史や伝統文化、自然などについて体験しながら学べる施設。観光情報も発信している。2014年には石神井松の風文化公園内に分室もオープンした。2023年4月からは、村上もとか氏が館長を務めている。
公式サイト:https://www.neribun.or.jp/furusato.html
【12】『SNOW』
2006年発売の「村上もとか叙情傑作選SNOW」に収められた一篇で、村上もとか氏の代表作『龍-RON-』(90-06)のスピンオフ作品。明治期の京都・祇園を舞台に、芸妓・雪香と男衆・吉蔵の秘められた想いが描かれる。
【13】『相談役 島耕作』
2019年~2022年まで全60話が掲載された、『島耕作』シリーズの1つ。「TECOT」(経営統合により「初芝電器産業」から社名変更)の初代社長、会長を歴任し、相談役となった島耕作の姿を描く。2021年に、島が新型コロナウイルスに罹患し、療養生活を送る展開となった際にはSNSやニュースサイトで大きな話題となった。
【14】『社外取締役 島耕作』
2022年から連載中の『島耕作』シリーズ最新作。「TECOT」相談役を退き、「UEMATSU塗装工業」の社外取締役となった島耕作の活躍が描かれる。
【15】『ドラゴン桜』
2003年から2007年まで連載された三田紀房氏の漫画。経営破綻となった私立龍山高等学校の運営を請け負った元暴走族の弁護士・桜木建二が、進学実績を上げるために特別進学クラスを開設し、東大合格者輩出に挑む姿を描く。2005年にはTVドラマ化もされ大ヒット、三田氏の代表作となった。
【16】『Dr.Eggs ドクターエッグス』
2021年より連載中の三田紀房氏の漫画。成績の良さから医学部に入学したものの、人の命と向き合う覚悟ができない円千森が、古堂真也教授との出会いをきっかけに、「医者の卵」として成長していく姿を描く。
【17】あおきてつおさん
漫画家。同人漫画家としての活動を経て、1980年に『10月のメモリー』で商業誌デビュー。読み切りや短期連載を経て、『気ままにウルフ』(82-86)で初の長期連載を手掛けた。以降、少年誌や青年誌をはじめ、教育漫画や学習漫画など広い分野で活躍。日本古代史をテーマにしたエッセイなども発表している。2022年からは日本大学芸術学部文芸学科の非常勤講師も務めている。代表作に、TVドラマ化された『緋が走る』(原作:ジョー指月/92-98)、『島根の弁護士』(原作:香川まさひと※第66話まで、シナリオ協力:春木修※第67話以降/04-08)や、『ショパンの事件譜』(原作:北原雅紀/14-20)、新版 学習まんが 日本の歴史(4,5巻の作画を担当、シナリオ:三条和都/22)など。
【18】のむらしんぼ さん
漫画家。大学在籍中に似顔絵かきのアルバイトをしていたところ、弘兼憲史氏に声を掛けられアシスタントになる。1979年に「月刊コロコロコミック」にて『ケンカばんばん』でデビュー。翌年から同誌で『とどろけ!一番』を連載しヒット作となる。1985年からは前述の『つるピカハゲ丸』の連載を開始、累計500万部を売り上げる代表作の1つとなった。現在は、「月刊コロコロコミック」の創刊から黎明期を振り返るノンフィクション作品『コロコロ創刊伝説』を執筆している。
【19】本庄敬(ほんじょう けい)さん
漫画家。石川サブロウ氏のアシスタントを経て、1986年に『北へー君への道ー』で手塚賞準入選を受賞し商業誌デビュー。代表作に、『蒼太の包丁 銀座・板前修業日記』(原作:末田雄一郎/03-13)、『ハルの肴』(原作:末田雄一郎/13-15)、『隠密包丁〜本日も憂いなし〜』(原作:花形怜/15-16)、『新・蒼太の包丁』(原作:末田雄一郎/17~)、『羆撃ちのサムライ』(原作・シナリオ:井原忠政/22-24)など。
【20】『風に向かうライオン』
2021年にオンラインで実施された「ICC online Exhibition 2021」にて、本庄敬氏が出品展示したイラスト作品。賞味期限切れのインスタントコーヒーを使って着色されている。本イベントでも展示された。
【21】星野之宣(ほしの ゆきのぶ)さん
漫画家。1975年に短編『鋼鉄のクイーン』でデビュー、『はるかなる朝』で第9回手塚賞に入選。1976 年には出世作となる『ブルーシティー』を連載。以降、SF作品や伝奇作品を精力的に発表している。代表作に、『2001夜物語』(84-86)、『ヤマタイカ』(86-91)、『宗像教授シリーズ』(94~)など。また、J.P.ホーガンの『星を継ぐもの』や、半藤一利の『日本のいちばん長い日』のコミカライズも手掛けている 。 『2001夜物語』は1987年と2009年にアニメ化、『宗像教授伝奇考』は2003~07年に3度TVドラマ化された。
【22】竜崎遼児(りゅうざき りょうじ)さん
漫画家。1972年に『番格流れ者』で商業誌デビュー。スポーツものや格闘技ものを得意とし、少年誌や青年誌で活躍。代表作に、『どぐされ球団』(78-82)、『ウォー・クライ』(80-81)、『闘翔ボーイ』(87-88)、『雷電王』(原作:M.A.T./91-94)、『なにくそ!!』(原作:今野敏/98)、『インパクト』(原作:坂田信弘/02-19)など。
【23】下條よしあき(しもじょう よしあき)さん
漫画家・編集者。雑誌「COM」の影響を受け漫画家を志す。1968年より漫画家・宮谷一彦氏のアシスタントを務め、1971年に短編『傷だらけの墓標』でデビュー。その後、ほんまりう氏、かわぐちかいじ氏のアシスタントを経て連載した『雨の朝サブは』(原作:梶原一騎)や『マイコン刑事』(原作:鷹見吾郎)で人気を博す。近年では趣味を生かしたゴルフや釣りを題材にした作品を描きながら、編集者としても活躍している。
【24】近藤たかし(こんどう たかし)さん
漫画家・漫画原作者。村上もとか氏に師事し、1999年「スーパージャンプ」にて『エール』でデビュー。歴史漫画や学術系のコミカライズなどを執筆。代表作は『漫画版 論語と算盤』(原作:渋沢栄一)『政談』『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』など。現在は、「ヤンジャン!」にて連載中の『境界のエンドフィール』の原作者としても活躍している。
【25】高見まこ(たかみ まこ)さん
漫画家。手塚治虫作品に影響を受け、漫画家を目指すべく手塚プロダクションに就職。1980年に『みどりのラブ・ステップ』で商業誌デビューする。1984年に連載スタートした『いとしのエリー』は女教師と生徒の恋愛を描き大ヒット、1987年には映画化もされる自身の代表作となった。その他の作品に、『ふたりの気持ち』(92-94)、『ロマンス』(97-00)、『不如帰』(原作:徳冨蘆花/06)などがある。
【26】鈴木みつはる(すずき みつはる)さん
漫画家。代表作に、『小学館版 学習まんが人物館 ゴッホ』(96)、『パチンコ一直線』(12-15)など。涼原ミハル名義でも活動しており、『まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」』(著:岬龍一郎、シナリオ:朝日文左/15)、『敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術』(原案:ゆうきゆう/18)、『コミック版「逆説の日本史」中世鳴動編』(原作・脚本:井沢元彦/23~)などを手掛けている。

【告知記事】《終了》区ゆかりの漫画家によるトークイベントや原画展示を行う「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」を開催します!

練馬区には多くの漫画家が居住しており、これまで数々の名作が生み出されてきました。そして、それらを原作とした映像作品も多くの方々に愛されています。そこで今回、区の特色である漫画を活かしたイベントを開催します。

開催概要

【開催期間】
令和6年8月3日(土)~8月9日(金)

【時間】
10時から18時

【会場】
大泉学園ゆめりあホールおよびギャラリー(練馬区東大泉1-29-1)

【費用】
無料

原画展示

ゲスト:弘兼憲史先生

村上もとか先生をはじめ、区ゆかりの漫画家総勢29名の原画や複製原画を約60点展示

原画展示ガイド

作品の解説、漫画や練馬にまつわる話、経験談等を交えた漫画家によるガイドを実施

日時

漫画家

8月3日(土)12時30分~

魚戸おさむ

8月4日(日)14時00分~

あおきてつお

8月5日(月)14時00分~

のむらしんぼ

8月8日(木)14時00分~

村上もとか


【定員】
各回10名

【申込】
当日10時より整理券を配布

似顔絵コーナー

ゲスト:弘兼憲史先生

プロの漫画家がオリジナルのタッチで似顔絵を描いてプレゼント
【日時】
8月4日(日)10時~17時(最終受付16時30分)

【定員】
60名程度

【申込】
当日10時より整理券を配布

【漫画家】
・下條よしあき
・のむらしんぼ
・高見まこ
・鈴木みつはる

トークイベント

※申込受付は終了しました。
【日時】
8月3日(土) 14時から15時
(ゲスト:弘兼憲史先生、三田紀房先生)

【会場】
大泉学園ゆめりあホール(練馬区東大泉1-29-1)

【料金】
無料

【対象】
区内在住・在勤(在学)の小学生以上(申込者、同伴者共に)

【申込期間】
6月21日(金)から7月1日(月)まで

【申込方法】
申込方法:申込方法等の詳細は、練馬区ホームページをご確認ください。

弘兼憲史先生 × 三田紀房先生

ゲスト:弘兼憲史先生

ゲスト:弘兼憲史先生
昭和22年生まれ、山口県出身。早稲田大学卒業。松下電器産業に勤務の後、49年漫画家デビュー。『課長 島耕作』 で第15回講談社漫画賞を受賞。練馬区で活動し、作中にもたびたび練馬を思わせる風景が登場する。

〈主な作品〉
『ハロー張りネズミ』 『加治隆介の議』 など。モーニングにて『社外取締役 島耕作』、ビッグコミックオリジナルにて『黄昏流星群』連載中。

ゲスト:三田紀房先生

ゲスト:三田紀房先生
昭和33年生まれ、岩手県出身。明治大学卒業。百貨店勤務、家業の跡継ぎを経て、30歳で漫画家デビュー。『ドラゴン桜』で第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。かつて石神井町や大泉学園町に在住。

〈主な作品〉
『インベスターZ』『アルキメデスの大戦』『クロカン』など。グランドジャンプにて『Dr.Eggs ドクターエッグス』を連載中。

ワークショップ

※申込受付は終了しました。

ワークショップ風景

【日時】
①8月3日(土)10時30分から12時
②8月3日(土)13時から14時30分
③8月3日(土)15時30分から17時

【会場】
大泉学園ゆめりあギャラリー(練馬区東大泉1-29-1)

【料金】
無料

【対象】
区内在住・在勤(在学)の小学生以上(申込者、同伴者共に)

【申込期間】
6月21日(金)から7月1日(月)まで

【申込方法】
申込方法:申込方法等の詳細は、練馬区ホームページをご確認ください。
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